河本力「イヤなヤツです!」 中島啓太との朝食時の会話
◇国内男子◇ジャパンプレーヤーズチャンピオンシップ by サトウ食品 2日目(23日)◇西那須野CC(栃木)◇7036yd(パー72)◇曇り(観衆793人)
今週はコース近くの宿泊ホテルが同じだそうだ。ともに午後スタートだった2日目は偶然、コースに向かう前の朝食会場でばったり。河本力と中島啓太は一緒に食事をとった。
「きょうはいくつまで伸ばすんですか?」。前日に8アンダーをマークしていた河本は後輩の質問に「目標は1日4アンダー。だから12(アンダー)だよ」と返した。「じゃあ、僕も12を超えます」。中島が初日4アンダーだったことを考えれば、少しばかり鼻で笑うような気持ちもあったかもしれない。
「でも、ちゃんと超えてきた! イヤなヤツです!」(笑)。ふたを開ければ中島はこの日「63」。宣言通り、通算13アンダーの3位に浮上してくるのだから、可愛がってばかりではいられない。
「ただ、間違いなく来ることは分かっていた」。ここ数年、後輩がぐんぐん成長していく様を誰よりも近くで見てきたのも河本だ。後半14番(パー3)、人生初のホールインワンを決めてグリーン上で歓声に応える様子を、前の組で眺め「啓太! ナイス!」と声をあげたのも何かの縁? 直前には「僕もあそこは近かった」と60㎝ほどのバーディパットを決めていた。
河本自身はこの日、出だし1番で2打目をフライヤーさせてボギー発進。その後の5つのバーディでこちらも宣言通りの「68」と4つ伸ばした。規格外の飛距離を持つモンスターは「(タイトルを)意識しすぎると前のめりになって自滅してしまう」と自分の弱さも知っている。「最終日に優勝争いをする最後のハーフまでは冷静に。そこに繋げるため、良い流れにするために。“抑えまくらないと”テンションが上がってしまう。抑えて、抑えて、抑えて…」
通算12アンダーの4位は首位に3打差。そして後輩には1打差だ。望むべくはもちろん、最終日の激しいぶつかり合い。そのはやる気持ちも、最後の9ホールまで取っておく。(栃木県那須塩原市/桂川洋一)