「最後のセカンドが腹立たしい」中島啓太は疲労に勝てず1打差で敗北
◇国内男子◇ハナ銀行 インビテーショナル 最終日(18日)◇千葉夷隅ゴルフクラブ(千葉)◇7625yd(パー73)◇晴れ(観衆524人)
首位に1打差で迎えた最終18番パー5。ドライバーを振り切ると、息を吐いて額の汗をぬぐった。体の疲れはとっくに限界に達していた。
「頭も体も、いっぱいいっぱい」。中島啓太にとってこれが4週連続の優勝争い。この3日間はなんとか保ってきた気力はホールを進めるごとに削られ、ティショットの安定性も陰っていった。そのなかでも「69」と伸ばしたが、優勝スコアに1打届かない通算19アンダーの単独2位で終戦。前週のプロ初優勝からの連勝は惜しくもならなかった。
前半3番ではドライバーショットを右に曲げ、2打目は出すだけで3オン2パットのボギーが先行する。次のショット地点まで歩く足取りも重く、グリーン脇でしゃがみこんで少しでも体を休ませながらのラウンド。それでも5番の2打目を1mにつけて獲り返すと、6番は8m弱のバーディパットをねじ込み力強くこぶしを握った。
首位に並んで入った後半、12番(パー5)でヤン・ジホ(韓国)がイーグルを奪って1打リードの単独トップに抜け出した。差を縮められないまま迎えた最終18番は、イーグルも狙えるチャンスホール。ティショットはファウェイを捉えたが、2打目はドローがかからず狙いよりも右に落ち、ピンまで約9mのイーグルパットを残した。
先にイーグルパットを打ったヤンは、数十センチのバーディパットを残してグリーン脇へ。プレーオフに持ち込むにはイーグルが必須の状況。中島は「手前に止まることだけはイメージしたくなかった」と強気で打ったが、カップの右を抜けてバーディにとどまった。ウィニングパットを沈めたヤンに1打届かない通算19アンダー。「最後のセカンドショットがすごく腹立たしい。いつもの力感で振れたら、ドローがかかってチャンスについた」と振り返った。
疲労困憊のなかで最後まで食らいついたが、「惜しい所までいけたけど、やっぱり、勝ちたかった」。前週の優勝を含む4週連続のトップ2フィニッシュも、湧き上がってくるのは悔しさだけだった。(千葉県大多喜町/谷口愛純)