歩き方はちょっとマキロイ 感覚派の22歳・平本世中の本名と登録名
◇国内男子◇フジサンケイクラシック 初日(1日)◇富士桜CC(山梨)◇7541yd(パー71)
名前には、「世界の中心で活躍できるように」という両親の願いが込められている。「いやあ、日本でも厳しくないかな」とおどけて見せたツアールーキーが、5アンダー4位の好スタートで存在感を示した。
昨年プロ転向したばかりの22歳・平本世中。本名は「セイチュウ」だが、「みんなが呼びやすいから」ということと、韓国と日本のハーフというルーツもあって、ツアーの登録名は「セジュン」にした。
同世代には前週初優勝を挙げた河本力、女子ツアー12勝の稲見萌寧らが顔をそろえる。厚木北高から専修大に進学し、ゴルフは「スイングは十人十色だから」とほぼ我流で練習した。参考にしたことといえば、PGAツアー選手の試合のリズムの作り方。一時期は、「ロリー・マキロイやジョーダン・スピースを参考に、歩き方やボールセットまでに何秒かかるかを調べていた」と真似していた時期もあった。
昨年サードQTを突破してプロ転向。QTランク36位でツアーデビューを果たしたが、今季は「BMW日本ゴルフツアー選手権」、「ASO飯塚チャレンジ」、「JAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIP」の3試合に出場するも予選落ちとなかなか結果が出せずにいた。
一番の原因は技術よりもなによりも、緊張で崩れてしまうこと。JAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIPでは8位発進から「75」を叩いて81位で予選落ち。学生時代からお世話になっているメンタルトレーナーに基礎から見直してもらい、緊張するとどういう影響が出るかを洗い出した。「緊張しないのはムリだから、緊張したりスコアが出ないときに、歩くスピードが速くなったりしてしまう自分を知ること」と、客観的にプレー中の自分を見直すことが好スコアにつながった。
緊張の中で迎えたスタートホールは「完璧なショット、パットだった」とバーディ発進。「シビアなパーパットが入ってくれたので、リズムよく18ホールを回れました」と緊張感に打ち勝ってスコアボードの上位につけた。
プロ入り後、これがまだ4戦目。「あすは淡々と、自分がいまできる最大限のプレーをするため、またイチからの気持ちで頑張りたい」とまずは予選通過を目指しつつ、ゆくゆくは名前の通り、世界で活躍できるプロにと考えている。(山梨県河口湖町/谷口愛純)