2009年 マイナビABCチャンピオンシップゴルフトーナメント

【GDO EYE】矢野東、「ピンに近づけない」で首位発進!

2009/10/29 18:58
最終ホールでは、狙い通りに長めのバーディパットを残したが、これが決まらず悔しがる

昨年は2勝を挙げて賞金ランキング2位。今年、さらなる躍進が期待されていた矢野東だったが、今季は国内ツアー17試合を戦ってトップ10入りは僅かに3回と、不本意な成績が続いている。

「あれこれ、本当に考えてやっています」という矢野だが、思うように結果が出ない。そこで今週は、「ピンに近づけない」という新たな作戦で臨んでいるという。

「手前に切ってあったら奥、奥なら手前を狙う」という矢野。一見、あまのじゃくなゴルフに聞こえるが、「ピンに近づくショットはそれなりにリスクがある。ストレスが溜まるし、ミスの許容範囲が狭くなる。でも一歩引くと、すごく簡単になる」と、説明する。「それに、僕はパッティングが得意なので、他の選手より高確率で入る」と、自身のゴルフの状態を見極めた、きわめて合理的な戦略であることが分かる。

「マイナビABCチャンピオンシップ」初日は、これが見事にはまって6アンダーの首位タイ発進。とはいえ、矢野の考えはさらに先へと繋がっている。「再来週のQTも見据えて、1着じゃなく、コンスタントに上に食らい付いていけるように」。今年の目標である米ツアーの予選会突破も睨んだ作戦なのだ。

「ティショットは適当に。セカンドも適当に。そうしたら、体が動き始めた」と矢野は言う。肩の力も抜け、「一番じゃなく、平均以上のゴルフが出来ればいい」とまるで力みは感じられない。必要は発明の母というが、その言葉がまさにぴったりだ。(編集部:今岡涼太)

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