優勝を逃した2人 岩崎亜久竜は悔しさと充実感、大槻智春は比嘉を称賛
◇国内メジャー◇BMW 日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ 最終日(5日)◇宍戸ヒルズカントリークラブ(茨城県)◇7387yd(パー71)
今季2度目の最終日最終組から初優勝を目指した岩崎亜久竜は、トップに2打及ばず通算10アンダー3位で初出場のメジャー大会を終えた。普段は緊張せず、夜も眠れるタイプとはいえ、今回ばかりは「朝4時とかにパッと目が覚めちゃって、3度寝くらいしちゃいました」と言い、いつもの朝とは違ったという。
前回優勝争いを演じた「東建ホームメイトカップ」では最終日の前半でスコアを落とし、「自分だけ“蚊帳の外状態”」だったが、今週は「攻めの姿勢」を崩さず、出だしの1番から3連続バーディを奪取してスタートダッシュ。6番でダブルボギーを喫するも、続く7番でバーディを奪って首位と1打差で後半へと折り返した。
15番(パー5)でティショットを左に曲げて2打目は出すだけと大ピンチを迎えながらも、ピン手前2m弱のパットを決めてガッツパー。16番(パー3)ではピン手前3m弱から渾身のバーディを奪い、11アンダーの首位タイで最終18番を迎えて、ボギーフィニッシュした。
「最終ホールまで優勝争いできたのがとても自信になりました。練習して、また来週上位で争えるように頑張ります」と充実感をにじませる一方で「めちゃくちゃ悔しいです」との思いもじわじわとこみ上げる。悔しさを糧に“三度目の正直”を目指して次こそ初優勝をつかみに行く。
最終組の2組前で出た大槻智春は4連続バーディを奪うなど前半を「31」で回り、優勝争いに急浮上した。6打差からの逆転は「結構厳しいかな」と少しだけあきらめもあったが、今年が2019年「関西オープン」で手にしたシードの最終年とあって「いいゴルフができればいい」という思いでプレーをしていた。
勝敗を決めたのは後続に2打差をつけて13アンダーで迎えた17番。池越えショットとなる2打目を「打ちミスした」と大幅にショートして池に入れた。「(ピンの)オーバーでもいいというのもあったし、正直(言って)ピンハイに打っていきたいという気持ちもあって、少し迷いがあった」。痛恨のダブルボギーをたたき、通算11アンダーでホールアウトした。
プレーオフを想定して待っていた大槻は、18番グリーンのすぐ横でスコアが並んでいた比嘉一貴ら最終組のプレーを見守った。優勝争いのなかで比嘉がピンそば2m強につけたセカンドショットを「すごいと思う」と称え、「(自分は)前半が終わって優勝争いにいるという時に、ある程度準備不足を感じた」と言い、悔しげな表情を見せた。(茨城県笠間市/石井操)