小林伸太郎が語る海外開幕戦の意義「第二の松山英樹を育てるには重要」
◇国内男子&アジアンツアー◇SMBCシンガポールオープン 最終日(23日)◇セントーサGC(シンガポール)◇7398yd(パー71)
開幕前にシンガポール政府が特別ビザの発給を停止したため多くの選手が参戦できず、日本ツアーの賞金加算対象外となった今大会。ツアーメンバーで出場した日本人選手18人のうちのひとり、35歳の小林伸太郎は「世界トップレベルの選手がどのような攻め方をしたのか。我々に何が足りないのかを教えてくれる。そういう意味で、世界で戦える日本人選手、第二の松山英樹を育てるにはこういう大会が重要だと思う」と大会の意義を強調した。
小林は、通算1アンダー30位から出た最終日に6バーディ(2ボギー)を奪取して「67」で回り、通算5アンダー9位でフィニッシュした。2番(パー3)で50㎝につけてバーディを先行、4mを決めた4番(パー5)から3連続を含め前半5つスコアを伸ばした。「波」が来ていたというだけに、折り返した10、11番の連続ボギーを悔やんだが、14番(パー3)では13mをねじ込んだ。上位4人に与えられる「全英オープン」切符には届かなかったものの、トップ10入りを果たして日本勢2番手で終えた。
2016年にスタートした同大会で日本勢最高の4位に入ったこともあり、思い入れもある。「この大会はすごくいい大会で、ずっと続けてほしい。世界のトップレベルを間近で見ることもできる。コースも日本にはないレイアウトでタイトなセッティングになっているので、選手に求められるものが多い。ここを基準として世界で戦えるレベルの選手を育てるべきだと思う」
例年オフシーズンに海外で合宿を張るプロゴルファーは多いが、新型コロナ禍ではそれもままならない。そんななかにあっても実は毎年シンガポールで調整しているという。「日本の寒い中、服をいっぱい着込んで練習するよりは、こうして暖かい気候の中、トーナメントで真剣にプレーできることの方がよっぽどプラスになる」と実感を込めて話した。
東北福祉大出身、2009年にプロ転向し、ツアー勝利はまだない。ことし36歳となる寅年の年男。今大会後は日本男子ツアーの国内開幕戦「東建ホームメイトカップ」(3月31日~/三重・東建多度CC名古屋)まで日本で調整する予定という。