2021年 日本シリーズJTカップ

今季最難関パー3 唯一のバーディは人生初「ぎっくり腰」の上井邦裕

2021/12/03 16:59
上井邦裕が難関18番で、全選手中唯一のバーディを奪った

◇国内男子◇ゴルフ日本シリーズJTカップ 2日目(3日)◇東京よみうりカントリークラブ(東京)◇7023yd(パー70)

グリーンの右奥のエリアにカップが切られた2日目の最終18番は、2020-21年シーズンの最難関パー3になった。平均スコア「3.667」は、20年「フジサンケイクラシック」(富士桜CC)最終ラウンド7番の「3.522」を上回りワーストに。30人のうち18人がスコアを落としたホールで、この日唯一のバーディを奪ったのは上井邦裕だ。

「奇跡のバーディ」はグリーン周りからのアプローチで演出した。10ydのキャリーから、狙い通り5ydほど転がってチップイン。すり鉢状の観覧席を沸かせ、4バーディ、ボギーなしの「66」でまとめた。

ロースコアにも苦笑いする理由がある。午前9時40分のスタートを目指して起床した際、ぎっくり腰を発症した。薬の服用で痛みは落ち着いたが、患部の張りと重さを引きずったままティオフ。「しっかり振れない。(スイングのポイントを)意識して『真っすぐ行ってくれ』と願うだけ」。12番で下りの8mを沈めるなど、安定したパットを頼りにスコアメークした。

10月に39歳になった。「腰がこんなになったのは初めて。ぎっくり腰なんて考えたこともなかった」という。キャリアを通じて浮沈を繰り返し、シードを落とした一昨年末に予選会からカムバック。2021年7月「セガサミーカップ」の2位を含めて3回のトップ10入りを決め、9年ぶりに最終戦進出を果たした。

「若い選手が出てくるのは良いことだし、負けないようにと常に思っている。ケアなどはこれからちゃんとやらないといけないが、技術は昔よりはある。疲れが取れにくくなっているけれど、体力的には負けない」。老け込むつもりはない。ドラマチックな展開が期待される東京よみうりCCでも悲願の1勝をただ願う。

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