11月1日に結婚 幡地隆寛が指輪に誓う米挑戦
◇国内男子◇三井住友VISA太平洋マスターズ 2日目(12日)◇太平洋クラブ御殿場コース(静岡)◇7262yd(パー70)
左手薬指に指輪をはめてプレーするのは前週に続いて2試合目になる。新婚の幡地隆寛が首位タイでトーナメントを折り返し、初優勝に挑戦する。
お相手の志保さんとは3年以上にわたる交際を実らせた。「レギュラーに上がる前から応援してもらってきた」。初シードを手中に収めている28歳にとって、ツアープレーヤーとしての下積み時代を支えてくれた存在だ。
11月1日に婚姻届を提出。「1、1、1の並びが好きなので、1月11日でも良かったけど、僕は1日のほうが良かった。1日にこだわった結果、11月1日になりました」。日付を優先しただけでなく、プロゴルファーとしてひとつの覚悟を決めるタイミングでもあった。
「来年、米国のQTを受けたいという願望があった。彼女は英語がすごくできる人なので、僕としては一緒についてきてもらいたかった」。今季ドライビングディスタンスで1位(313.3yd)に立つ飛距離を見れば、本人も周囲も米挑戦の夢を描きたくなるスケール感。
「僕自身、それをやっていけるほどのレベルなのか…」と踏ん切りをつけられずにいたが、弱点のショートゲームを強化し、レギュラーツアーでも成績が伴ってきたことで自信も芽生えてきた。「気付けば、もう28歳。チャレンジして損はない」と腹をくくった。
今年の出場資格に照らし合わせれば、日本ツアーメンバーとしての資格で米下部コーンフェリーツアーの予選会(Qスクール)のファーストステージから挑戦することが可能。「やっぱり、ずっと自分が成長している姿、もっと上のステージで戦う姿を(妻に)見せてあげたい」と力を込める。
大きなチャレンジを予定する新たな一年を前に訪れた、初Vのチャンス。トップで金谷拓実と並び、1打差3位には谷原秀人と比嘉一貴。周りを固める東北福祉大の先輩も後輩も、みな優勝経験者だ。
「最終組で決勝ラウンドを迎えるのは初めて。意識しなくても緊張してくると思う。焦らず、最終組で回るという経験を4日目につなげることを考えたい」。187㎝、98㎏の大きな体で大志を抱き、ドキドキの優勝争いに飛び込む。(静岡県御殿場市/亀山泰宏)