目の前には“金谷師匠” 片岡尚之が大学後輩と同組効果で「63」
◇国内男子◇ブリヂストンオープン 2日目(8日)◇袖ヶ浦カンツリークラブ 袖ヶ浦コース (千葉)◇7119yd(パー71)
片岡尚之は朝イチで冷や汗をかいていた。出だし1番で右ラフからのセカンドがグリーン左手前のがけ下にこぼれる大ピンチ。「ピンまでは30ydくらい。25ydくらいのところに落として、転がって寄ってくれれば」というアプローチはピンに当たって10㎝に止まった。続く2番も3.5mを沈めるナイスパー。3番のバーディもチップインだった。
ドタバタの序盤を切り抜けたことで「心に余裕が生まれた」。そこから一気にショット、パットともにさえわたり、ボギーなしの8バーディ「63」で通算11アンダー。「朝のスタートでは『予選通れるかな…』って不安になっていたはずが、単独トップになってました。(結果的には)100点に近い内容だった」と笑った。
予選同組だった東北福祉大の後輩・金谷拓実の存在も大きかった。「金谷“さん”には毎回勉強させてもらってます。年齢は僕の方が一個上なんですけど、見習うものばかり」という言葉も、あながち謙遜ではない。
5月「ジャパンプレーヤーズチャンピオンシップ」で初優勝も、その後は持ち味であるはずのショットの不調に苦しんできた。「優勝してから、こんなにショットが悪いことは人生でなかったんじゃないかってくらい悩んでいた。ドライバーもアイアンも悪くて、ゴルフにならないんじゃないかという状態だった」
金谷に頼んでショットの動画をスマートフォンで撮影させてもらったのは、前週「バンテリン東海クラシック」会場でのこと。「彼はうまく払う感じで打つ。そうやってクラブを入れるためには、どうやって体を使うかとか、そんなにフェースローテーションもせず打っている感じなので、そういうところも取り入れたり。ホント、師匠ですね」。クラブが鋭角に入りすぎてダウンブローがきつくなる悪癖修正に手応えをつかみかけて今週に入っていた。
さらに予選2日間を一緒に回ったことで「お手本が目の前にいる状態。スイングを見放題で最高でした。『なるほど』と思いながら、自分でも打ってました」。ショットの復調にメンタルも上向く。「やっと兆しが見えて、自分が今ゴルフを楽しめている感じ。やっと一般の人というか、普通のレベルくらいまでは戻せたかな」と口も滑らかだ。
直近2試合連続の予選落ちから一転、単独首位に立った。「緊張とか不安もあると思うけど、その緊張を自分の中で集中力と楽しさに変えていければ」。自信を取り戻し、ツアー2勝目へ突き進む。(千葉市緑区/亀山泰宏)