「悲観も諦めもない」石川遼は“成熟”の30代へ
◇国内男子◇ANAオープンゴルフトーナメント 2日目(17日)◇札幌ゴルフ倶楽部 輪厚コース (北海道)◇7063yd(パー72)
30歳となった石川遼の第1打は、ドライバーでフェアウェイ左サイドへ。「第1打は良かったけど、(30歳)第1ラウンドはほぼ最悪でしたかね」と苦笑い。上位がビッグスコアを並べる中、4バーディ、3ボギーの1アンダー「71」で、通算5アンダー24位へと後退した。
4番でティショットを左の林に打ち込んで、ボギーが先行。左サイドがノーチャンスの6番は、1Wショットを右隣の12番ラフまで曲げて、4mのパーパットを決めきれなかった。ショットはまだ発展途上。「(2週連続2位の)フジサンケイ、KBCと成績は良かったけど、ドライバーでドローがなかなか打てない感じになっていた」という課題修正に取り組んだのが、前週オープンウィークのことだった。
「良い言い方をすると、次の段階に行けてはいるけど、そこで生じるいろんな反応もある。アイアンでちょっとフックが掛かり過ぎたり、インパクトのタイミングがまだ慣れていなかったり…。その中でどうゴルフをするかというのは、水曜日から思っていた」
完璧ではない状態で、いかにベストの結果につなげるか。「自分自身がすごく試されているというか、試しているというか。きょうもすごく苦しかった」という戦い。ショットがダメなら、ショートゲームやパターを駆使してスコアを作る。パープレーで迎えた最終18番は、「右に抜けた感じの球だった」という1Wショットから、残り100ydをピンに絡めてバーディで締めくくった。
日付は、昨日から今日へと変わり、石川は29歳から30歳へと年齢を重ねた。「おめでとうは本当にたくさん言われたけど、もしかしたら自分が一番(30歳になった実感が)ないかもしれない。毎日必死に生きているだけなので」
15歳でプロツアーに勝利して、15年が経過した。「やりたいことが山積み状態で30歳の初日を迎えることができて、すごく幸せ」と石川はいう。「ここまでできなかったことをそこまで悲観はしていないし、成し遂げられなかったことに対して諦めもない。むしろ達成したいことがあるので、そのためには身体がこれから大事になる」と、成熟の30代に突入した。(北海道北広島市/今岡涼太)