20代“ラストゲーム” 石川遼が見据える30代とその後
◇国内男子◇フジサンケイクラシック 事前(1日)◇富士桜CC(山梨)◇7566yd(パー71)
石川遼は今月17日(金)、次戦「ANAオープン」(北海道・札幌GC輪厚C)の2日目に30回目の誕生日を迎える。今大会は20代として成績が残るラストゲームだ。
この年齢になればバースデーに一喜一憂することもなく、「心境に変化はないですね」と淡々。「28(歳)から29になるよりは、29から30のほうが違いが大きいような気もしますけど、同じ1年。30歳になったら(球がいきなり)飛ぶようになったらうれしいけれど。そんなこともない」と笑った。
16歳で始めたプロゴルファー生活は、早くも人生の半分に相当する。見据えるのは次の10年、20年。「今の男子のゴルファーの現役選手の年齢を見ると、体がしっかりしていて、フィジカルが良ければ40代の後半でも良いパフォーマンスを出せる選手はいる」。一部のプロ選手の“寿命”は延びる昨今、5月の「全米プロ」ではフィル・ミケルソンが50歳で勝った。今年に入って体を一回り大きくしたのは、改造中のスイングと、ベテランと言われるような時期に備えたものでもある。
アマチュア時代も含めて10代で9勝を挙げた。PGAツアーにも身を置いた20代は8勝で、腰痛と戦う時間も長かった。「けがをしない体を作ることが一番。より良い体にしていくことが今後の5年、10年は、今まで(の5年、10年)よりもさらに大事になる」と、長いあいだ第一線でプレーする覚悟だ。
2009年から2連覇し、今年節目になる大会は上り調子で迎えられる。直近の「Sansan KBCオーガスタ」では1打差の2位、今季最高位で終えた。「スコアが気になる状況でもやるべきことに集中したい」と前週と同じ精神状態で富士桜を歩く。(山梨県河口湖町/桂川洋一)