“帰宅部”から名門ゴルフ部へ ルーキー清水大成は地元で首位発進
◇国内男子◇Sansan KBCオーガスタゴルフトーナメント 初日(26日)◇芥屋GC(福岡)◇7210yd(パー72)
22歳の清水大成(しみず・たいせい)が自身初の首位発進を決めた。前半6番と最終18番のパー5でイーグルを奪取するなど「64」をマーク。日大1年時の2017年に「日本学生」を制し、昨年10月にプロ転向したばかりのルーキーにとって、今週は年に一度の故郷での大会だ。
福岡市の南、春日市在住の清水は名門ゴルフ部に入る前は“帰宅部”だった。小さいころに時松隆光らを指導した篠塚武久氏に師事した後、中高一貫校の東福岡に進学。スポーツ各部が全国レベルにあるマンモス校に通いつつも、両親と相談して学校では勉強を、ゴルフは放課後に取り組む生活を送った。
平日は学校から帰って、行きつけの打ちっ放しの練習場で過ごすのは1時間程度。打ち込みは1日100から150球ほどだった。「しっかり考えて練習をするように。自分で何をすればいいか、短い時間で内容の濃いものを練習することを意識していた」。部には在籍せずとも、功績をたたえられる垂れ幕を同級生の活躍に交じって校舎に掲げるのが目標だった。
高校卒業までの制限された練習環境の反動からか、日大に進んでからはさらにゴルフにのめりこんだ。「合宿もすごい回数で楽しかった。一日中ゴルフができる環境」に身を置き、才能も一気に開花。プロの世界に飛び込んで1年もたたないうちに、トレーニングで5kg増に成功し、ここまで2回のトップ10入りがある。
ジュニア時代から観戦した経験もあり、高3時にプロツアーで初めてローアマチュアに輝いた試合。「いい印象は持っています。ギャラリーの方が入ると楽しいですし、気合も入ります」。地元で浴びる声援はもちろん大きい。(福岡県糸島市/桂川洋一)