2021年 セガサミーカップ

おまけは6日間の強制隔離 永野竜太郎の海外メジャー初体験

2021/08/20 18:30
永野竜太郎は初めてのメジャートーナメントを経験してたくましく

◇国内男子◇長嶋茂雄招待セガサミーカップ 2日目(20日)◇ザ・ノースカントリー(北海道)◇7178yd(パー72)

身長181㎝のロングヒッターにとっては、5歩も歩けば壁につく広さだった。7月「全英オープン」でメジャー初出場を果たした永野竜太郎は、日本入国後に英国からの帰国者として新型コロナ禍の水際対策である6日間のホテル待機を強いられた。

検疫所の指定宿泊施設は横浜市内のビジネスホテル。室内からの一切の外出が禁じられ、“外界”との接点は弁当が扉の前に配布される1日3回の食事時だけだった。トレーニングをするにもメニューは限られるし、時差ボケもなかなか治らない。せめて窓から海辺が見渡せるかと思ったら、永野に割り当てられた部屋のカーテンの向こうは、建物の吹き抜け部分で、太陽すら確認できなかった。

振り返れば、全英でも制限された生活時間のほうが長かった。初出場選手の洗礼で初日のティオフ時刻は午後4時16分。感染防止のため思うように外出できず、気分転換も難しかった。それでも「良い刺激、得るものが本当に大きかった」というデビュー戦。決勝ラウンド進出に1打及ばなかった2日目は、上がり3ホールで3m以内のバーディチャンスを立て続けに決めきれず「そのへんの弱さ、足りなさを痛感した」

必ずしも悲観的な材料だけでなく、「(米国に)PGAツアーの現場も観に行ったことがあったけれど、海外の選手と一緒に回ってみて、“あきらめるくらいの差”まではないと思えた」のも実感にある。

ツアー初優勝が毎年期待されて、ことし5月に33歳になった。「全英で予選落ちした現実はすごく悔しい。でも自分のやってきたことは間違いでなかったのかなと。ポジティブなものもあった。それで自分のゴルフが変わったところもあったと思う」というメジャーでの経験は今週さっそく結果に。5バーディを記録したこの日は、唯一ともいえるピンチだった16番(パー3)で6mのパーパットをねじ込み、ノーボギーで「67」をマークした。

「アイアンショットでバーディチャンスにつけられているのが良い」と3人が並ぶトップとは2打差の5位で残り2日。堂々たるプレーを見せたい。(北海道千歳市/桂川洋一)

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