テレビで観た「東京五輪」 石川遼が感じたゴルフへの熱
◇国内男子◇長嶋茂雄招待セガサミーカップ 事前(18日)◇ザ・ノースカントリー(北海道)◇7178yd(パー72)
6月末の「日本プロゴルフ選手権」出場後、約1カ月半のオフの大半を石川遼はトレーニングに費やした。春先からたくましさが増した体に磨きをかけ、継続中のスイング改造にも集中。未勝利ながら賞金ランキングは9位で迎えるシーズン後半戦に向け、ひとりの視聴者としてテレビ観戦した「東京五輪」からも一流アスリートの熱を十分に受け取った。
「いっぱいありすぎて、感動して涙が出たこともあった」というメダルラッシュの2週間。なかでもサーフィン男子で銀メダルを獲得した、五十嵐カノアの360度回転する大技には目を見張ったそう。「衝撃を受けました。ほんとに、いちスポーツファンとしてすごく楽しかったし、オリンピックってこんなにすごいんだなと正直思いました」
ランキングにより自身は補欠選手のまま五輪出場はかなわなかったが、ゴルフが正式種目であることの意義は大きいとみた。「ネットでもテレビでも中継が観られて、SNS上で選手を応援したり(情報を)シェアできたりした。視聴者の絶対数が普段のゴルフ(ツアー大会時)の数とは比べものにならないと肌で感じた」と、話題の世間的な広がりを実感した。
日本代表は男子で松山英樹が銅メダルを争うプレーオフを戦い、女子は稲見萌寧が日本ゴルフに初のメダル(銀)をもたらした。母国開催の重圧を背負うなかでのプレーに「すごすぎる」と石川は語る。
「ゴルフは他の競技にないくらい、トップ選手も勝てないことが毎週のように起きている。限られた一週でメダルを取るのは難しい」と想像していたからこそ、一発勝負で期待通りの力を発揮したことにリスペクトの思いが募る。「ザンダー(シャウフェレ/金メダル)がああいう活躍をして、英樹も(ロリー)マキロイも(上位に)来た。期待の何倍も盛り上がった」
前回の「リオデジャネイロ五輪」で112年ぶりに復活したゴルフは、2024年の「パリ五輪」も正式種目として継続される。「水泳も男女混合でリレーが(新種目で)あった。素人からすると面白かった。ゴルフも個人戦と、あと別の何かがあっても面白いのかなと思いました」と普段のツアー大会と同じストローク個人戦以外の競技スタイルも期待した。(北海道千歳市/桂川洋一)