松山英樹Vに見た感動と現実 石川遼は「自分なりの方法で」
◇国内男子◇東建ホームメイトカップ 事前(14日)◇東建多度カントリークラブ・名古屋(三重)◇7081yd(パー71)
1月の「ソニーオープン」を皮切りに米ツアー2試合に参戦した石川遼は、2週間の隔離期間を挟んで国内ツアー21年初戦に臨む。
前週は同い年の松山英樹が日本勢初の「マスターズ」制覇という歴史的偉業を成し遂げた。「勇気づけられたし、モチベーションになった。歴史的瞬間だった」と感動した。その一方で複雑な思いを吐露する。「彼は(インタビューで)日本のジュニアも続いてくれればと言っていたけど、個人の頑張り次第だと思うので、当然簡単なことではない。英樹にできるならできる、という風には僕自身はそう簡単には思えなかった」
過去5回マスターズに出場して最高位は2011年の20位タイ。石川自身、その難しさは身に染みている。「彼の努力と、進むべき道を進むことへの判断力とかセンスとか、何に取り組むべきかの頭の良さとか。いろんな要素があっての英樹。実際に日本人は『マスターズ』を勝ててなかったですけど、英樹ができたからといって、日本人が出来るわけではない」。それだけの快挙であることを知っているからこその言葉だった。
「一人ひとり短所や長所とかタイプが違って、できること、できないことがあると思うけど、それを補ってスコアを縮めていくのがゴルフの面白いところ。自分なりの方法で、アプローチしていくというか。冷静に、練習しながら伸ばしていくということに徹していく。焦らずに継続していくことが近道になるかもしれない」と自らが進む道を見据える。
大会前日のこの日は18ホールをプレーし、3年ぶりの大会出場へ向け「今からワクワクが止まらない」と話した。2020年と21年が統合され1シーズンになったツアーで「一番上になるのは価値がある」。現在7位の賞金ランキングをさらに上昇させ、2009年にツアー史上最年少で戴冠して以来の賞金王を目指し、まずは好発進を狙う。(三重県桑名市/石井操)