遼、「関西オープン」連覇への誓い
昨年の「関西オープン」で、プロとしての初優勝を飾った石川遼。その話題性が「ツアー参入の大きな力になった」と、同大会を主催する関西ゴルフ連盟の三宮常務は力説する。「関西オープン」は、1926年から日本最古のオープン競技として続けられ、1973年のツアー制度施行後はレギュラーツアーに組み込まれていたが、1991年を最後にツアーから撤退。その後も大会自体は続けられていたが、その火は消えかけていた。
しかし、昨年石川が優勝したことで状況は一変した。関西ゴルフ連盟の加盟クラブや、在阪企業、さらに宝塚GC関連企業などが原資を出し合い、ツアー復帰の最低ラインとなる賞金総額5,000万円を捻出した。これにより、1991年以来18年ぶりにレギュラーツアーへと復帰を果たした。*8月20日(木)~23日(日)の4日間開催
今大会は、主催する関西ゴルフ連盟が会員制ゴルフクラブを基盤としたアマチュア競技団体であることもあり、アマチュア枠が出場144人中24人確保されている。さらに、成績上位者は日本オープンへの出場資格も付与されることとなっており(昨年実績11人、今年の割り当ては9月1日にJGAが発表)、他のツアー競技とは一線を画している。
この日、今年の会場となる宝塚ゴルフ倶楽部をラウンドした石川遼。実は、石川は3年前の兵庫国体に埼玉代表として出場し、ここでラウンドした経験があるという。「一番印象深いのは、18番ホール(試合では9番ホール)です。当時は、(フェアウェイを横切る)クリークを全く意識せずに右サイドに打っていったけど、今日はもしかしたらあのクリークを越えるんじゃないかと思ってドライバーを振ったら、左のラフでしたが越すことが出来て、自分の飛距離も伸びたなと思いました」と、昔を思い出しながらのラウンドとなった。
ディフェンディングチャンピオンとして連覇の期待も掛かる石川。「去年は初日にイーグル発進でそのまま勢いにのって優勝出来たので、ここも1番がパー5ということで、初日に良い位置にいる為にも、イーグル発進をしたいです」と今年もスタートから飛び出すつもりだ。
最近は優勝争いに絡めていない石川だが、精神的には研ぎ澄まされている。「マスターズから帰ってきて、まだまだ努力が足りないと思いました。これからゴルフを辞めるまで、1日も無駄な時間があってはいけない。今から2ヶ月間みっちり練習してその成果が関西オープンで出れば良いと思います」と、大会連覇に向けてさらなる精進を誓った。