2020年 日本オープン

「選手には本当に申し訳ない」苦渋の賞金減額と無観客 オープン選手権3大会

2020/09/09 18:17
リモート会見に臨んだJGA山中博史専務理事(右)と戸張捷常務理事(JGA提供)

日本ゴルフ協会(JGA)は9日、「日本オープン」など今年の主催3大会についてリモート会見を開き、新型コロナウイルス感染拡大防止対策や出場予定選手など大会開催についての説明を行った。

今年は9月17日から開催の「日本シニアオープン」(兵庫・鳴尾GC)を皮切りに、「日本女子オープン」(10月1日~/福岡・ザ・クラシックGC)、男子の「日本オープン」(10月15日~/千葉・紫CCすみれコース)が行われる。

各大会とも、新型コロナウイルス感染対策として、会場に入場できるのは、選手やキャディのみで、コーチやマネジャー、トレーナーは認められない。選手を含め大会関係者全員に、JGAオフィスまたは会場でPCR検査を実施するという。

出場選手については、各ツアーの年度途中のランキング上位は有資格リストから外された。日本シニアオープンは、歴代覇者のプラヤド・マークセン、昨季シニアツアー賞金王のタワン・ウィラチャン(いずれもタイ)が欠場。昨年覇者の谷口徹、今年シニアツアーデビューした佐藤信人小山内護が出場する。

続く日本女子オープンは11日にエントリー締め切りだが、すでに海外の試合を優先している畑岡奈紗渋野日向子からは欠場の連絡が届いているといい、「海外の試合に出場している選手、外国人選手は(出場が)厳しい状況」(山中博史専務理事)だ。

JGA特例承認者として女子オープンは2年前の大会でローアマを獲得した後藤未有、日本オープンは佐藤大平が出場する。欠場者が出た場合は、最終予選出場者の中から繰り上がる。

JGAはすでに3大会とも無観客開催に加え、賞金の一律25%の減額を発表している。大会ゼネラルプロデューサーの戸張捷常務理事は「冠スポンサーがあるトーナメントは賞金から事業費まですべて賄うのに対し、JGAの場合は冠スポンサーがない。観覧席や駐車場、バスの運送がなくなるなど(経費が)少なくなる部分もあるが、コロナ対策やスタッフの費用がかさむのと、切符(チケット)を開催コースで売れない、当日券がないなど実際の収入が少なくなるため苦渋の選択。選手には本当に申し訳ない」と改めて説明した。

プロ野球やサッカーJリーグは観客数の制限緩和を政府に要望している。一方、ゴルフのプロツアーは一部シニアツアーなどを除き、無観客での開催が続いている。戸張常務理事は「無観客と決めたものを、いつ(緩和が)決まるかわからない状態で切符を売るのは難しい。ゴルフの場合、密にならないためホールごとに分けるのか、ゾーンをつくるのかなどいろいろ考えた。苦しいところだが、今年の場合はこのまま行かざるを得ない」と話した。

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