【GDO EYE】見た目と違う? 意外とチャーミングな池田勇太
「UBS日本ゴルフツアー選手権」の3日目を終えて単独首位に立ったのは、ツアー2年目の23歳、池田勇太だ。ツアー初優勝を目指すフレッシュな選手だが、その風貌と態度からは年齢以上の貫禄が感じられる。
憧れの選手はジャンボ尾崎。池田が6歳の時から「ほぼ毎週、勝ってたから」と、当然のようにファンになった。今は自分もプロになり、同じ試合に出るようになったが、何かを教えて貰ったり、仲良くしたいという想いは無いという。「だって、一線を越えると仲の良い先輩みたいな感じになるでしょ。憧れは憧れのままでいい」と、意外と純粋な一面も持っている。
自分の性格は?と問われた池田は、「わがまま。意地っ張り。強情。せっかち。あと態度が悪いとか」と笑う。ゴルフファン以外にも絶大な人気を誇る石川遼の爽やかさとは対照的だが、池田の男臭さも見ていて気持ちの悪いものではない。
池田がホールアウトした時点では、首位と1打差の2位だったが、上位選手がポロポロとスコアを落とし、記者会見中に気が付くと単独首位に立っていた。明日勝てば、06年の近藤智弘(共弘)以来、メジャー大会でツアー初優勝を決めることになる。おのずと記者達からも多くの質問が浴びせられたが、その会見は意外な形で締め括られた。
それは、首位で迎える最終日の心境を聞かれたとき。物怖じしなそうだけど…と振られ、うーんと考えていると、突然、「ドカン!ドカン!」と近くで爆発音が鳴り響いた。この音は大会のサブイベントの花火の音だったのだが、これに一番過敏に反応したのが池田だった。目を丸くし、ビクッとして固まると、「誰かに狙われたかと思った」と必死の弁明。会見場が爆笑に包まれる中、胸の辺りを押さえながら、「勘弁してよ、なんかこの辺が痛くなってきた。今ので締め!よろしいよ、終わり!」と苦笑いで席を立った。最後に、決して物怖じしないタイプでは無いことが判明した池田だったが、果たして明日の最終日はどう乗り切るだろうか?
■ 今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール
1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka