2020年 SMBCシンガポールオープン

大きなトリプルボギーパット 五輪メダリストたちは強かった

2020/01/19 18:50
トラブルに見舞われたマット・クーチャー

◇国内男子&アジアンツアー◇SMBCシンガポールオープン 最終日(19日)◇セントーサGC(シンガポール)◇7397yd(パー71)

2016年「リオデジャネイロ五輪」の銅メダリスト、マット・クーチャーが窮地で強さを見せた。4打あったリードを一時は失いながら、終盤に挽回して日亜ツアー初優勝。2位には同金メダリストのジャスティン・ローズ(イングランド)が入り、銀のヘンリック・ステンソン(スウェーデン)も裏街道から「66」で締め、23位で終えた。

単独首位から出たクーチャーは7番(パー5)で大トラブルに見舞われた。1Wを左の林、木のそばに打ち込むと2打目で空振り。フェアウェイに出した後の4打目も左に曲げて、1罰打のあとに6オン。2パット目となった4mをねじ込み、トリプルボギーをたたいた。

同じホールでジャズ・ジェーンワタナノンド(タイ)のバーディにより、リードが突如なくなり「本当に大きなトリプルボギーだった」という。キャディには「心配ない。ここまで良いプレーをしてきた」と背中を押され、バックナインで3バーディと挽回。「ゴルフと人生は似ている。難しい問題とどう向き合うかが大切。あそこから立ち直れたことにとても満足」と最終18番(パー5)グリーンでは、何度もガッツポーズをつくった。

ローズはバックナインでクーチャーに追いすがった

ひとつ前の組でプレーしていたローズは、クーチャーのドタバタ劇を後から知って唇をかんだ。「彼がスコアを落としたことを知らず、僕は8番から2連続ボギー、10番では短いバーディパットを外してしまった。知っていれば、意識は変わっていたかもしれない」。一瞬でも“あきらめモード”に入ったことを後悔。「でも、追いかけた後半は楽しかった。惜しいところまで行ったけどね。彼は16番のバーディで勝利を確実なものにしたよ」

オリンピックイヤーの初戦を上々の成績で終え、「東京」でもメダル獲得の期待がかかる。「まだ長い道のりだ。そう先のことは考えていないけれど、大きな一年だから楽しみ。良いスタートを切れたから、ここから勢いづきたい」。次週は米カリフォルニア州でのPGAツアー「ファーマーズインシュアランスオープン」に前年チャンピオンとして出場する。(シンガポール/桂川洋一)

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