2020年 SMBCシンガポールオープン

ホテルがない!堀川未来夢の珍道中 in シンガポール

2020/01/17 21:24
堀川未来夢は試合前にまさかのトラブルに見舞われた

◇国内男子&アジアンツアー◇SMBCシンガポールオープン 2日目(17日)◇セントーサGC(シンガポール)◇7397yd(パー71)

開幕前のある日、堀川未来夢はシンガポールのチャイナタウンをひとり練り歩いていた。ゴルフバッグはコースに置いてきたが、大きなスーツケースを手で転がした。その距離、実に2.4km。前週の米ツアー「ソニーオープンinハワイ」に続く連戦となった今大会は、試合前に思わぬトラブルを乗り越えていた。

あらかじめ予約していた宿泊先は、隣の国マレーシアのホテルだった。ホノルルから成田経由でシンガポール入りしてから、それに気づいた堀川は大慌てで宿探しをする羽目に。週末までの連泊はどこも満室ばかり。到着した14日(火)は、池田勇太のキャディの部屋に急きょ一泊できたが、話はこれで終わらなかった。

翌15日(水)、「一泊6000円(シンガポールでは安価)」というふれ込みで予約したのは中国人街にあったユースホステルらしき施設。スタッフに「これがお前のベッドだ」と案内されたのは、7、8人が一緒に寝泊まりする部屋にあった、リクライニングチェアだった。仮にもプロゴルファーとして戦う身である。「さすがにココには泊まれない」と即座にキャンセルし、その後、なんとか空きが出た別のビジネスホテルの部屋代は1泊およそ12万円! 背に腹は代えられぬ。しぶしぶ泊まって初日のラウンドに備えた。

16日の(木)の夜からようやく1泊4万円の部屋が見つかってひと安心。それも決して安くはないが、「幸せを感じます」と苦笑いした。それでいて、いざ試合になると、「身体はぜんぜん大丈夫です。ゴルフの調子は悪くない。ショットでチャンスにつけられている」と涼しく言うから頼もしい。2ラウンドとも「70」をマークし通算2アンダー暫定24位で、2週連続の予選通過を決めた。

「お金のかかる一週間ですね。せめて経費だけは稼ぎたい」。そういえば、マレーシアのホテルのキャンセル代も支払ったばかり。カンタンに引き下がるわけにはいかないのだ。(シンガポール/桂川洋一)

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