2020年も泥臭く 石川遼はローズ、ジャズに食らいつき暫定15位
◇国内男子&アジアンツアー◇SMBCシンガポールオープン 初日(16日)◇セントーサGC(シンガポール)◇7397yd(パー71)
満足とはいかないまでも、石川遼は2020年の初ラウンドに及第点をつけた。「緊張はすごくしたけれど、オフのスイングとほぼ変わらずにできた。そんなに悪くない」という3バーディ、1ボギー「69」のスタート。首位と4打差の2アンダー暫定15位で滑り出した。
朝から吹いた風にも惑わされることなく、石川は安定感あるプレーを見せた。前半インは序盤にパーを並べ、5mを沈めた17番(パー3)で新年最初のバーディ。続く18番(パー5)は残り200ydの第2打を7Iで放ち、ピン奥8mにつけて2パットバーディとした。
ティショットで2Iも多用するコース。序盤はボールが左につかまり気味だったが、「スイングが良くなっていくプロセスだと思う。直そうと思えば、直せる範囲のミス」と、うなずいた。後半4番(パー5)は残り230ydを4Iで2オンさせて3つ目のバーディ。最終9番はカート道からの3打目、95ydをウェッジでグリーンにのせる“ナイスボギー”だった。
「そんなに悪いスタートではない。優勝争いをするためのスタートは切れたと思う」と振り返りつつ、目の前のライバルたちから受ける刺激が、自分を安心させてくれない。同じ組で回った前年王者のジャズ・ジェーンワタナノンド(タイ)には2打差、世界ランキング9位のジャスティン・ローズ(イングランド)、には1打差をつけられた。「本当にキレイなゴルフ。憧れるし、うらやましい」と言った。
「でも、自分は自分のゴルフをやるしかない。目標はスコアであのふたりに勝つこと。ドライバーの精度なんかで、あのふたりと肩を並べるのは簡単ではない。でも他の部分で上回れる、補えるのがゴルフ」。約1カ月前、シーズン3勝目を挙げた昨季最終戦「日本シリーズJTカップ」では「あんな泥臭い人いるのかというくらい、へばりついていった」と最後まで執念を見せた。オリンピックイヤーも姿勢はそのままだ。(シンガポール/桂川洋一)