五輪代表選考を盛り上げたい 石川遼は開幕戦で金メダリストと予選同組
◇国内男子&アジアンツアー◇SMBCシンガポールオープン 事前(14日)◇セントーサGC(シンガポール)◇7398yd(パー71)
年間3勝目を挙げたシーズン最終戦「日本シリーズJTカップ」を終えたあと、石川遼は「状態を守ろうとはせず、より良いものを求めようとした」という。約1カ月のオフの間、年末年始にクラブをまったく握らなかったのは元旦だけ。主にトレーニングと体調維持に努め、今季開幕戦に照準を合わせてきた。
2020年の国内男子ツアーは16日(木)にシンガポールでスタートしたあと、4月「東建ホームメイトカップ」で再開する。「東京オリンピック」への逆転出場に向け、石川にとってはこの春先までの戦いが大きなカギになる。2月「WGCメキシコ選手権」のほか、米ツアーへのスポット参戦をにらみ、世界ランキングポイントを積み重ねることが至上命題だ。
現状で日本男子勢の出場枠は2つ。世界ランキングをもとにした五輪ランキングで1位の松山英樹(世界ランク21位)に、国内ツアー2年連続賞金王の今平周吾(同33位)が続く。3番手・石川(同83位)は差が大きいことを理解しつつ「周吾の戦いぶりにもよるけれど、(自分は)2月、3月にしっかり結果を残せばチャンスが出てくるかもしれない」と意気込む。
五輪代表争いは、多くの種目で注目されるスポーツのトピックス。国民の視線をゴルフに多く集める機会ともとらえている。「(2016年)リオのときと東京とでは日本の人の関心の高さが違う。そのなかでゴルフはどうなのか? 何人出られるのか? ということを知らないスポーツファンがたくさんいる。その関心を集めるには、選考までのプロセスが盛り上がることは大事。卓球の個人戦の争いなどはゴルフ以上に盛り上がっていた」。その渦中にいることが、夏場までの話題を引っ張ることにもなる。
予選ラウンドは前年王者のジャズ・ジェーンワタナノンド(タイ)、そしてジャスティン・ローズ(イングランド)と同組になった。「リオデジャネイロ五輪」金メダリストのローズ、銀のヘンリック・ステンソン(スウェーデン)、銅のマット・クーチャーがそろい踏みした今大会。上位選手に付与される世界ランキングポイントはもちろん大きい。優勝しても現時点で今平をとらえることはないが、いきなり重要な一戦になる。(シンガポール/桂川洋一)