「プロとして負けられない」 池田勇太は2年前の再現狙う
◇国内男子◇三井住友VISA太平洋マスターズ 3日目(16日)◇太平洋クラブ御殿場コース(静岡)◇7262 yd(パー70)
18番(パー5)のグリーンサイドに広がる池のふちで池田勇太は考え込んだ。「スプリンクラーがすぐ横にあって、打ってみたら地面が硬かった」という2打目をプッシュアウトし、池のさらに右側のラフまで飛んでしまっていた。一つ前の組を回り、単独首位でホールアウトしていたアマチュアの金谷拓実(東北福祉大3年)とは2打差だった。
池を越えるアプローチの選択肢は2つ。ロブショットでピンをダイレクトに狙うか、グリーン奥からピンに向かって下る傾斜を使って寄せるか。「ロブにして、(寒くなってきた)この時期の芝で(クラブが)下を抜けたら目の前の池ですから。最終日の1打差とかなら(勝負をかけて)やるけど、そういう意味では(自分を)抑えました」。奥の傾斜を使うも寄せきれず、2パットのパーにとどまったが、日曜日の18ホールへ気持ちを切り替えた。
前半3番(パー5)で2オンに成功してイーグルを奪うなど「66」で通算6アンダーとし、2打差の4位。かつて「苦手」を口にしたこともあった未勝利のコースで優勝を狙える位置にいる。「バンカーが配置されて、ターゲットが絞りやすくなった」。昨年の全面改修がプラスに働いたことに加え、夏場に右足を痛めて調子を落としていた影響から抜け出しつつある。「ショットに関しては、振れるようになってきたのかな。体の痛みを気にしないでゴルフできるようになってきた」とうなずく。
金谷とは2年前の「日本オープン」で最終日最終組を回り、激闘の末にタイトルを手にしている。「プロとして優勝は譲れない。彼(金谷)との勝負だけではないんだけど、2年前もそういう気持ちがあったし、その中でいいゴルフをしていきたい。あの時のようにデッドヒートを繰り広げられればうれしい」。再び、大学の後輩に壁として立ちはだかる。(静岡県御殿場市/亀山泰宏)