欧州再挑戦の情熱を胸に 宮里優作が首位タイ発進
◇国内男子◇三井住友VISA太平洋マスターズ 初日(14日)◇太平洋クラブ御殿場コース(静岡)◇7262 yd(パー70)
宮里優作の情熱は消えない。昨年5月のぎっくり腰発症からスイングを崩した影響を引きずり、今季欧州ツアーのシード確保はならなかった。3月から8月にかけては10試合連続で予選を通れず「うまくいかないことばかりで、つらかった。(ティショットは)半分、イップスみたいな感じになって、なかなか思うように振れなくて。スイングも変えて、クラブも替えて、迷宮入りしてました」。努めて明るい口調で振り返るが、悔しさはにじむ。
来年2月のアジアンツアーのQスクール(タイ)挑戦を視野に入れる。欧州ツアーとの共催競技も多く、賞金ランキングで上位に食い込めば道は開けるとにらむ。「向こうでうまくいってこそ、(自分の中で)成功したという感じがある。どうにかもう一回しがみついて、いろんなルートからヨーロッパに挑戦したい」。
今シーズンだけで22の国と地域でプレーした。「コースも素晴らしいし、選手のレベルもすごい。何より課題がすごく見つかる。『これはダメ』『これはいい』というのが、本当にはっきり出る。どうしても日本にいると、ぼやけてしまうところがあって。自分に何が必要か、はっきり見えてくる」と力説し、再び海を渡る算段を整えようとしている。
国内初戦となった前週「HEIWA・PGM CHAMPIONSHIP」では決勝ラウンドに進めなかった。時差ボケが抜けず、ヘッドスピードも今週に比べて2m/sほど落ちていたという。今週は体調が整ったことに加え、高速グリーン対策もはまって5アンダー首位タイ発進となった。前日までロフト4度と6度のパターを入念に打ち比べ、ロフト角が大きく転がりにくいものをチョイス。スタートの10番から7mのバーディパットを沈めるなど前半だけで5バーディを量産した。アマチュア時代から優勝争いを演じてきたコースで、苦しんだ1年が確かな血肉となっていることを証明する。(静岡県御殿場市/亀山泰宏)