小平智が自己ベストに並ぶ「62」 “ウッズ効果”で首位に2打差
◇国内男子◇マイナビABC選手権 3日目(2日)◇ABCゴルフ倶楽部(兵庫県)◇7200yd(パー72)
首位に7打差の33位で決勝ラウンドに進んだ小平智が、快晴に恵まれたムービングデーの主役になった。後半15番(パー5)をイーグルとしたほか8バーディを奪い、大会レコードと自己ベストスコアに並ぶ「62」をマーク。通算13アンダー単独3位に浮上し、最終日は首位の今平周吾を2打差で追う。
前週の「ZOZOチャンピオンシップ」でタイガー・ウッズと2ラウンドをともにし、「良くなったイメージを確かなものにしたい」と急きょ出場を決めた今大会。3日目に入って「なにもかも上手くいった」と、好感触をビッグスコアにつなげてみせた。中でも冴えわたったのが、「4、5年ぶりに家から引っ張り出した」という『スコッティキャメロン フューチュラX5 パター』を前週から使用し、この日27パットに収めたグリーン上のプレーだ。最初の1番で5mのチャンスを決めると、12mを沈めた9番までに6バーディを量産。首位に迫って後半へ折り返した。
緩やかなアゲンストの風が吹く後半15番(パー5)ではショットで加速をつけた。フェアウェイから264ydの2打目で3Wを強振し、「イメージ通りの完璧な球」でピン左4mに2オン成功。下りのスライスラインを真ん中から沈めてイーグルを奪い、首位に1打差まで詰め寄った。
前週にウッズから学んだことは、「成功しても失敗しても、歩くリズムからショットやパットのルーティンまで、全体的なリズムが何も変わらない」という、プレーの全体的なリズムに及ぶ。「タイガーと回ったことで、パターもすごくリズムが良くなって入るようになった。本当に良いきっかけだったと思う」
2日目には後半1番から3連続ボギーを叩き、一時は予選通過が危うい位置まで後退したが、ここでもウッズからの学びが小平の背中を押した。ウッズは「ZOZO」初日を3連続ボギーでスタートしながら、以降は9バーディを奪って首位発進のナイスカムバック。「諦めずに集中してバーディを獲る姿勢。そこは見習いたかったし、僕もこのスコアにいるのはタイガーのおかげ」と話し、改めてウッズから得た効果を強調した。(兵庫県加東市/塚田達也)