2019年 マイナビABC選手権

首里城焼失に「何ができるのか」 嘉数光倫は傷心のラウンド

2019/11/01 18:58
沖縄県出身の嘉数光倫。首里城の焼失に心を痛めた

◇国内男子◇マイナビABC選手権 2日目(1日)◇ABCゴルフ倶楽部(兵庫県)◇7200yd(パー72)

大会初日の10月31日(木)に起床した直後、キャディからの連絡で沖縄県那覇市にある首里城の火災を知った。「メチャクチャ、ビビりました」。同県名護市出身の嘉数光倫は急いでホテルのテレビでニュースを確認し、「沖縄のシンボルが、まさかそんなことになるなんて…」と傷心のままコースに向かったという。

世界遺産にも登録されている首里城の焼失は、29歳の心に大きなダメージを与えた。「地元の人にしか分からない部分がある。沖縄は小さな島国ですし、県民はチームみたいなつながりも強いと思う」。コースに到着すると、同郷プロの比嘉一貴正岡竜二と首里城の話題で持ち切りになった。通算5アンダーの19位で2日目のラウンドを終えたあとも、「ポッカリ穴が開いた感じで寂しい」と受けたショックが癒えることはない。

「県出身のゴルファーとして何ができるのか。今週は、ふとしたときに考えてしまう」と視線を落とした。「寄付になるのか分からないけれど、ちょっとでも力になれれば。僕たちが発信することで、“みんなで再建していこう”という雰囲気や流れが作れたらいい」と続けた。

奇しくも、次週の男子ツアー「HEIWA・PGM CHAMPIONSHIP」は沖縄県が舞台となる。沖縄県国頭郡東村出身で欧州ツアーを主戦場にしている宮里優作も帰国参戦。「優作さんも出るし、女子にも(沖縄県出身のゴルファーが)たくさんいる。みんなで(活動を)したほうが、大きな流れを作れる」と話し、再び思いを巡らせた。(兵庫県加東市/塚田達也)

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