女子プロトーク

2021年4月のマンスリーゲスト 古江彩佳

2021/04/01 00:00

「Hot Shot with GDO」の2021年4月のマンスリーゲストには古江彩佳プロを迎え、全4回でお届けする。

2000年5月27日生まれ、「プラチナ世代」の20歳。兵庫県神戸市出身で、滝川第二高等学校時代には同級生の安田佑香らと団体戦で2度全国制覇を達成した。2019年11月に最終プロテストを控え、アマチュアとして出場する最後の試合、「富士通レディース」で史上7人目のアマチュア優勝を果たしプロ転向。2020年9月の「デサントレディース東海クラシック」でプロ初優勝を飾り、その後、「伊藤園レディスゴルフトーナメント」、「大王製紙エリエールレディスオープン」で2試合連続優勝。20歳179日での4勝到達は、宮里藍(19歳1日)、畑岡奈紗(19歳295日)に次ぐ史上3番目の年少記録となる。

第1回 「史上7人目のアマチュア優勝」

今年20歳となり、神戸で成人式に出席する予定だったが、コロナ禍で延期に。4月に開催される、「富士フイルム・スタジオアリス女子オープン」の企画で着物モデルとなってインスタグラムにアップできたので、いい思い出になった。

高校卒業後、六甲国際ゴルフ倶楽部に研修生として就職し、バッグ運び、マスター室のお手伝い、キャディ業務などの社会勉強に励んだ。同年にプロテストを受験し、1次予選で24アンダーを出したときは、周りの友達に「もうプロテストに来ないで」と言われるほど。プレッシャーは全くなく、2次予選も4アンダーで同じくトップ通過を果たした。

11月に「富士通レディース」で史上7人目のアマチュア優勝を果たし、テストを回避してプロ転向した。最終プロテストでは何が起こるかわからないという緊張感もあったので、正直なところ安心した。

昨年は、コロナ禍で当初予定された37試合から14試合の開催へと減少。試合が自分にとって生きがいだったことを再認識し、6月の開幕ではあらためて感謝の気持ちを感じた。

「デサントレディース東海クラシック」で東浩子とのプレーオフ1ホール目でバーディを奪ってプロ初優勝し、その後「伊藤園レディスゴルフトーナメント」「大王製紙エリエールレディスオープン」で2試合連続優勝。全美貞(ジョンミジョン)と鈴木愛だけが達成しているツアー史上3人目の3週連続優勝をかけてのぞんだ国内女子ツアーの年内最終戦「JLPGAツアー選手権リコー杯」は惜しくも2位。ルーキーイヤーは14試合に出場し、優勝3回、2位1回、2位タイ2回を達成。

自己評価は100点満点の90点未満で、これに満足することなくレベルアップを目指していきたい。ランキングが上昇し、東京オリンピック出場も視野に入ってきたが、あまり結果を望まず一つ一つの試合で成長していきたい。

第2回 「フルエッティがチョコレッティに」

スポーツ好きな母親のひとみさんの練習について行ったのがきっかけで、3歳からゴルフを始めた。幼少期から運動が大好きで、4歳から中学2年生までは、体幹を強くする目的でスイミングスクールに通っていた。

小学校4年生までは週1回、5年生からは毎日1時間の練習量のみ。両親ともに働いていたので、学校が終わってご飯を食べてから夜9時30分くらいに家を出て、練習場にいくことが多かった。3~4歳の頃からプロゴルファーを目指し、今から思うと恥ずかしいが、「タイガー・ウッズと戦う」、「プロになるために生まれてきた」などと言っていたのを覚えている。もしもプロゴルファーになっていなかったら、大好きなディズニーランドのキャストになっていたかもしれない。

試合前は、車で浜崎あゆみさんの歌を聞いて、気分をあげてスタートの2時間半前に会場入りするのがルーティン。好きな言葉は、「笑顔と感動」。アマチュア優勝をしたときに、テレビで観ている方や知り合いの方から「感動したよ」と言ってもらえてすごくうれしかった。ずっと目標にしているのは宮里藍さんで、ジュニア時代に観戦しながら応援していた上田桃子有村智恵にも憧れを抱いている。

イチゴが大好きで、まるのままがベストな食べ方。いちご狩りに行って、おなか一杯まで食べるのが夢だ。チョコレートが好きで、箱買いしていつも持ち歩いて友達に配り歩いていたほど。アニメ「借りぐらしのアリエッティ」が流行った時期に、あだなが「フルエッティ」だったが、その後「チョコレッティ」と呼ばれるようなった。

第3回 「目指せお姉さん風な大人めコーデ」

クラブ、ボール、シューズはブリヂストンと契約。コーチでもある父親の芳浩さんは、毎晩娘のためにゴルフの動画を研究して色々と調べてくれており、クラブセッティングも完璧だ。コーチングの方法は、何が悪いかなどアドバイスはせずに、自分で気づかせるスタイル。

得意なクラブはドライバーで、平均飛距離は230~240ヤード。安定感のあるスイングと言われるが、父親や、JGAナショナルチームに入ってヘッドコーチのガレス・ジョーンズさんに教わりながら、色々と試して自分の体に何が合うのかを探ってきた結果だ。

平均飛距離が5ヤード、10ヤードでものびたらスコアも変わってくるのかなと思うが、急に変えると自分のスタイルが崩れるので、徐々にやっていきたい。調子が悪いときにも、安定感をキープしてスコアが崩れないよう、グリーンまわりのショートゲームで補ってレベルアップしていきたい。

アマチュア時代から「ビバハート」のウェアが大好きで、取り扱っている「グリップインターナショナル」の桑田社長が六甲国際ゴルフ倶楽部のメンバーだったこともありご縁があり契約に至った。憧れの有村智恵を真似して着ていたことからはじまり、ハートなどの可愛いモチーフが大好きなブランドだ。ゲンを担ぐタイプで、大好きなピンク色を入れるなど、最終日のコーディネートには細心の注意を払っている。

「体が引き締まってスリムになった」と言われるが、コロナ禍で体力をつける目的で、毎日どんなに疲れていても、家に戻ってランニングをしていたから。普段着で目指すのはお姉さん風な「大人めコーデ」で、お出かけの時はスカートをはくようにしている。「富士通株式会社」と、地元神戸の「和田興産」とスポンサー契約を締結している。

第4回 「子供を産んでも活躍できる選手に」

小さい頃にディズニーランドに連れて行ってもらって以来、ディズニーの世界のとりこになり、オフの度に通い詰めてぬいぐるみを集めている。子供の頃から両親がCDを聴いていたこともあり、「あゆ」こと浜崎あゆみさんの大ファンになった。

試合で優勝したらご褒美でDVDやグッズを買ってもらう約束を取り付け、そのためにゴルフを頑張っていた。世代が違いすぎて友達は興味を示さないので、カウントダウンライブには母親と一緒に行った。もちろん話題の「M 愛すべき人がいて」は読破し、ドラマも全話コンプリートした。

コロナ禍で化粧の動画をよく見るようになり美意識が向上し、賞金でスキンケアなどの化粧品を購入。友達はファッションや好きなことを自由にSNSでアップしているが、自分をアピールしたり自慢したりすることが苦手で、あまり活用ができていない。

性格は明るい方で、試合中は笑顔を絶やさずにファンを楽しませようと心がけており、イラっとしても歩きながらすぐに次のことを考えて切り替えるようにしている。30歳までに結婚して、子供を産んでからも試合で活躍できる選手になりたい。

目標は、6年連続で賞金女王となった不動裕理のような記録を残すこと。ジュニア時代に応援していた選手が海外に行ってしまい寂しい思いをしたことから、日本で活躍して子供たちから憧れられるようなプロゴルファーになりたい。