アマ・その他ツアー

<堀江x高岡 3>「なぜ日本企業もスポーツ界も衰退するのかというと、まさしくマーケティングの欠如なんです」

2014/09/10 10:00

ネスレ高岡浩三社長x堀江貴文 対談その3(全4回)

アマチュア旋風も追い風となり、盛り上がりを続ける国内女子ツアー

グローバル企業を経営する高岡氏だからこそ実感できる、日本に足りないマーケティングの視点。ビジネスだけでなく、スポーツの分野でもその重要性が問われています。日本の将来は”マーケティング”にこそ懸かっていると思わされる話です。

【堀江貴文氏(以下、堀江)】今、日本の女子ツアーってすごく頑張っているじゃないですか。たぶん日本で唯一、世界最大規模のイベントを実現できていると思うんです。欧米人の参戦はまだ少ないけど、少なくともアジアの選手は大挙してJLPGAに来ていますよね。ツアーとして盛り上げるのは、僕は可能だと思うんです。そういう経営者がいれば全然やれる。すごくもったいなかったですよね、ジャンボ尾崎とかが活躍していた時代…。

【高岡浩三氏(以下、高岡)】いや、実はあのときの賞金総額はアメリカのPGAより多かったらしいですよ。日本がバブルの時はね。(編注:年平均の為替レートで比較すると93年、94年に両者は近い金額になっている)

【堀江】ですよね。

【高岡】そこからすっかり逆転して、まあ10倍の差がついているわけですよ。だから、アメリカがどうして生で長時間放映できるかっていうのは、グローバルに放映権を売っていて10倍のお金が集まるから、長時間民放でやるのも大丈夫ということなんですよね。

【堀江】プロスポーツ界って全部そうだなと思っていて、あのときにアジアンツアーとかみんなバカにしていたじゃないですか。だけど、どう考えたってこれからエマージング(拡大傾向)なのは東南アジアだし、中国なわけだから、あの時に韓国とか台湾とか中国とか東南アジアに声かけて、一緒にやろうよって言っていたら、ものすごい組織になっていましたよね。

【高岡】だから、JGTOがこれからやらなきゃいけないのは、アジアでリーダーシップを取って、アジアのツアーをひとつにまとめることですよ。それがなかったら、逆にアジアの主導権さえも取れなくなって、日本ツアーっていうのは本当に衰退すると思うんですね。

【堀江】今だって実際、アジアンツアーはヨーロピアンツアーの草刈り場になっていますよ。

【高岡】なってるなってる。PGAも5試合(編注:PGAツアーチャイナは今年12試合)ほど中国でやっている。

【堀江】中国なんかものすごいマーケットじゃないですか。

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