『スリクソン Z-STAR』が悲願の使用率NO.1!
ダンロップスポーツは先頃開催された中日クラウンズ(5月1日~同4日)で、同社基幹商品『スリクソン Z-STAR』ボールがJGTOツアーで初めて使用率NO.1になったことを宣言した。
悲願といえるだろう。同製品がデビューしたのは2009年だが、当時社長だった馬場宏之氏(現会長)は、「当社の技術力の結晶で、過去に例のないパフォーマンスという自負があります」と製品力に並々ならぬ自信を見せていた。当時の看板選手だったビジェイ・シンをプロモーションに起用、『アイ・スイッチ!(私も変えた)』というキャッチフレーズでトップダウン戦略も敢行したのだ。
『Z-STAR』が標的としたのは、無論"王者・プロV1"だ。世界最強のボールとして、国内男子ツアーでも40~45%という高い使用率を誇っていた。ダンロップスポーツが『Z-STAR』のプロへの供給を開始した2010年の使用率は20%弱だったが、以降、製品力とツアープロモーションの強化で、安定的にシェアを高めていった。
『Z-STAR』が飛躍するジャンピングボードとしては、石川遼、松山英樹という2大スターの獲得も話題性という点では大きかったが、実質的な意味合いでプロの使用を促したのは、昨年度の実績だろう。2013年のJGTOツアーにおいて同製品の使用プロが23戦中10勝と勝率42%でトップになったのだ。また、賞金ランキングでも1位だった松山プロを筆頭にトップテンのうち6名が『Z-STAR』使用者と好成績を収めた。
これに触発されたプロ達が、シーズンオフに『Z-STAR』をテスト、他社品から変更する多くの選手を取り込んだ結果、中日クラウンズで出場選手108名中46名、使用率42.6%(ダレルサーベイ調べ)と初めて目標であった『プロV1』(同38.0%)を抜いてトップを奪取したのだ。
「多くのプロから製品評価を頂いた結果と受け止めておりますし、ボールはクラブほど頻繁に変えないので、この数字は今季を通じて維持できると考えています。また、事業的には市場がすぐに反応するとは思いませんが、来年、再来年くらいにはその効果がハッキリと表れると見ています」(同社広報部)
プロからの影響力が購買へつながりやすい競技アマチュアからアベレージゴルファーへ、ジワジワと製品の良さが伝播され、マーケットシェアを押し上げることを予想する。
「今回は日本男子で一応の結果を出しましたが、当社の目標はあくまでもグローバルカンパニーとして世界でもっと評価を得ることです。だからこの結果に甘んじることなく、さらに上を目指していきます。特に、USPGAツアーでは、相変わらず『プロV1』の使用率が高く、昨年も60%強のシェア。一方、当社はまだ7%程度に過ぎません。かなり手ごわい相手ですから、これからも手綱を緩めることなく少しでもシェアを上げられるように頑張っていきます」
国内最強を手に世界最強へ挑む。予てから標榜するグローバルチャレンジに改めて狼煙を上げた格好だ。