ダンロップ、決算説明会で市場牽引を宣言
ダンロップスポーツは2014年2月12日、2013年12月期(2013年1月1日~同12月31日)の決算短信を発表した。同社によれば、連結の売上高は666億円(前期比108%)と増収を果たしものの、営業利益(前期比73%の28億円)、経常利益(同期比74%の31億円)、そして純利益(同90%の15億円)ともに前年を割り込み、増収減益となった。
増収要因は、クラブ、ボールがそれぞれ前期比111%(332億円)、同118%(144億円)と数字を伸ばしたこと。特に、クラブは『ゼクシオ セブン』が発売2年目、いわゆる裏年ながら前年を上回る販売実績を残したことが大きくプラスに作用した。
一方、減益要因はクラブヘッドを中国から仕入れているため、円安による為替差損が出たこと、2014年から本格展開するアシックスシューズの発売を控え、シューズ販売を一時的に抑えたことなどが挙げられる。
2014年の事業方針の柱となるのが『ゼクシオ エイト』の拡販だが、トピックスとして注目されるのが『ゼクシオ』と『スリクソン』クラブの海外販売の強化だ。
「今まで欧米では『ゼクシオ』のような高額品の販売は難しいと考えていましたが、ニュージーランドやフランスなどでの売上が伸びており、やり方次第では売れるという手応えを掴みました」(野尻恭社長)
そこで今期は北米、UK、ドイツにおける『ゼクシオ』のプレゼンスを高めていく。販売戦略の要諦は、「販売ルートを特約店に特化して価格競争しない」、「WEBサイトや広告を通じて『ゼクシオ』を知ってもらう」、「試打会で性能の高さを体感してもらい購入を促す」――。
1月にフロリダ州オーランドで開催されたPGAショーにも試打ブースを出展し、『ゼクシオ エイト』の性能を強くPRしていた。
もう一つ大きなトピックスとなるのが、男子レギュラートーナメントの開催だ。同社は昨年から受講料3000円で年24回のゴルフレッスンを受けられる「ゴルフスタートアッププログラム」を開始するなど、市場活性化に大きな役割を果たしているが、トーナメント開催もそれに連なるもの。
大会名称は「ダンロップ・スリクソン福島オープン」。JGTOの公式試合として2014年7月31日~同8月3日の4日間、「グランディ那須白河ゴルフクラブ」(賞金総額:5000万円)で実施される。
同大会は、今年で20年目を迎える「福島オープンゴルフ」(主催:福島オープンゴルフ実行委員会)に同社が主催者として参加することで男子レギュラーツアーとするもの。
単なるイベントに終わらせず、開催地福島のゴルフ活性化につながるような地域密着型の企画を織り込むなど、ゴルフの活性化を目的に新たなトーナメントのカタチを示していくという。手詰まり感が漂っていた男子ツアーにとって、新たな方向性を見出すいい機会にもなりそうだ。
2014年のダンロップスポーツは、ハード・ソフト両面で新境地に挑む。リーディングカンパニーとして業界を引っ張る姿勢を強く印象づけた発表会になった。