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インサイドストーリー@2013 PGAマーチャンダイズショーレポート ~キャロウェイゴルフ編 part1~

2013/02/13 14:30
キャロウェイゴルフの研究&開発の責任者、アラン・ホックネル氏にインタビュー

全米プロゴルフ協会(PGA)が主催する世界最大のゴルフ ショー、「2013年PGAマーチャンダイズショー」にて、GDO編集長が普段聞けない「インサイドストーリー」を話題のブランドのキーパーソンに突撃取材!

●キャロウェイゴルフ 研究&開発部門担当 上席副社長 アラン・ホックネル氏
1998年3月にインターンエンジニアとして入社。製品開発のリード、クラブや、ボールの分野で、デザイン戦略を担当し、R&Dの組織やクリエイティブデザイン、テクノロジーのディレクションを担当。入社前は、ロンドン大学インペリアル校で機械工学を学び、博士号を取得。その後、英国のラフバラ大学にて技術エンジニア部門で研究員助手としてゴルフクラブの衝撃モデルについてコンピューターで解析し分析する専門につき、技術メカニックの部分で博士号を取得し、ロンドンの国立技術薬物専門大学の技術エンジニアとマネージメントの修士号を取得した。

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GDO「新製品の開発秘話を教えてください」

アラン氏「新しいCEOチップ・ブリューワーが就任後の2012年4月頃、翌年発売のラインナップを眺めて “君たちは本当にこの製品に自信と誇りをもっているの?”と聞かれました。今でもそのときの瞬間は忘れないし、とても大切な出来事でした。もちろんその時点でも素晴らしい開発したと思っておりベストを尽くした結果でしたが、我々が追求すべきレベルには正直達していませんでした。彼は“少しでも迷いがあるなら製品化すべきではない”と、一からやり直すチャンスをくれたのです。CEOとして大きな決断だったと思いますが、歴代CEOの中でもそこまで製品に対して真剣に向き合い、そして誇りが持てるまで諦めない姿勢は初めてだったので、我々研究開発チームの士気が一気にあがりました。12月の発表までの短い間に全ての製品をつくりなおし、特に性能、プレミアム感、若々しさ、コンテンポラリー感、カッコよさが改善されました。合わせてブランドのランナップが複雑という指摘があったので、ゴルファーが必要とする機能と製品にマッチできるよう、できる限りシンプルな構造を心がけました」

GDO「新製品に対してより一層自信が持てましたね」

アラン「はい、全てにおいてレベルが高く仕上がっています。また、以前は研究室やロボットでのテストを多く取り入れていましたが、今回はアベレージから上級者まで様々なレベルのリアルゴルファーに多くのテストに協力してもらい、意見を取り入れています」

GDO「プロゴルファーのインプレッションは?」

アラン「“RAZR FIT XTREME ドライバー”を使用しているアーニー・エルスアルバロ・キロス、ブレンダン・グレースなど、開発段階から多くのプロゴルファーの意見を取り入れていますので、とても気に入ってくれています。8月下旬くらいにプロトタイプを打ってもらったときに、飛距離に関してとても良い印象をもらいましたが、ちょっとシャローすぎるのでもっとディープフェースにして欲しいという要望がありました。発売まで時間があまりなかったのですが、大急ぎで研究開発に取り組みました」

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GDO「石川遼選手とのエピソードはありますか?」

アラン「スイングの才能が素晴らしいし、とても理にかなっています。“RAZR FIT XTREME ドライバー”のロースピン性能が彼に更なる飛距離をもたらします。低弾道を望んでいることなど、的確な要望を伝えてくれるので我々も応えるよう一丸となって開発に望んでいます。素晴らしいことに、キャロウェイゴルフの本社があるカールズバッドに住居を構えたので、頻繁にテストセンターに来て、直接要望を聞きながらコミュニケーションを深めて、彼のパフォーマンスを更なる高いレベルに引き上げることが目標です。彼はゴルフクラブに関して豊富な知識があり、どのようなクラブでどのような弾道でボールをコントロールしたいか明確で強いビジョンがあります。これからは新しいクラブの製品開発に携わることも多いと思います。例えばロジャー・クリーブランドが開発している新しいウェッジは彼の意見を取り入れた形や性能でアベレージゴルファーにとっても使いやすいものになるでしょう」

GDO「日本マーケットの重要性は?」

アラン「とても重要です。世界第2位のマーケットですし、日本仕様のクラブを開発し、その技術をグローバルの製品に搭載するうえでもとても大切な役割を担っています。個人的にも私のゴルフバッグにはグローバルでは発売されていない“レガシーブラックアイアン”が入っており、本社の多くの人々から“どこで手に入るの?”と聞かれます。このアイアンはどの製品よりも素晴らしいと感じています」

GDO「来年も、再来年も更に良い製品をつくりださなければなりません。次はどのようなことを考えていますか?」

アラン「新しいCEOの方針はとても明確です。優れたゴルフクラブを世に出すことです。より良い製品を開発するために努力し、同じではなく、明確に前作を超えることが必要です。ときには前例がないことで、人々を驚かせるとしても、決して恐れないことです。ゴルファーのニーズを徹底的にリサーチし、そこに我々の研究開発の結果を混ぜて製品化します。一方方向では簡潔することは無く、両方向で混ざり合ったときに様々な奇跡がおこり、はじめて素晴らしい製品が生まれるのです」

GDO「期待やプレッシャーも相当だと思います。300ヤードのスプーンの次は?」

アラン「次は400ヤードかもしれません(笑)」

GDO「ジャパンゴルフフェアにはいらっしゃいますか?」

アラン氏「もちろん、準備は整えてあるので是非行きたいと思っています」

左:キャロウェイゴルフ開発責任者 アラン・ホックネル氏、右:GDO編集長 向井康子