ゴルフ業界結集コンペで浮揚策を図る
東日本を中心に58店舗を運営する二木ゴルフは、ゴルフ業界の団結を目的としたコンペを企画している。「東日本大震災支援プロジェクトチャリティコンペ」というもので、同社の取引メーカーなどを集めて今後の対策も話し合う。
開催は5月11日からの3日間で、会場は埼玉ロイヤルGC(埼玉県)。各日5組程度の小規模なものだが、一人2000円の義援金を募り、被災地へ寄贈する。「被災地の一日も早い復興を祈念すると同時に、ゴルフプレーの自粛ムードを断ち切って業界の活性化に尽力したい。そんな思いを込めています」(同社)。大手専門店だけに、市場の浮揚策は生命線。これらを業界関係者と話し合う狙いもありそうだ。
実は、同社も被災している。地震発生後は10店舗が営業休止に追い込まれ、以後7店舗が再開したものの、宮城2店舗、栃木1店舗が建屋の一部損壊などで休止していた。そのうち仙台名取店は4月11日、小山店は今週15日に再開する予定だが、天井の崩落など深刻な被害を受けた仙台名取店は再開の目処が立っていない。二木一成社長は、「かなりのダメージを受けましたが、今年一年を通じて昨対80%の売り上げを目指したい。これが実現できれば『健闘した!』といえるでしょう。いずれにせよ、業界が一丸となって浮揚策に取り組む必要があります」。小売店はゴルファーと直接触れ合う位置づけだけに、市場の風向きを瞬時に察知できる。そのような感度を活かして、浮揚策を検討していく。
また、FCを中心に全国78店舗を運営する中古クラブ販売のゴルフ・ドゥも、「がんばろう日本」の企画を立ち上げている。全店に募金箱を設置するほか、ゴルフボールなどの売り上げの一部を義援金に振り向ける。直営14店舗では、クラブ購入や下取り時に発生するポイントを義援金に充てることも決めた。「ゴルフ用品の購入と同時に、復興支援にも協力していただける。ゴルファーの思いを結集して、被災地へ届けたいと考えました」。ゴルフ業界の復興支援はこれまで、メーカーが先行していた印象があるが、小売店も本腰を入れはじめた。