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~番外編 工場見学、鋳造アイアンができるまで~ 米国PING本社に潜入レポート!

2011/03/11 11:15
鋳造アイアンができるまでを潜入レポート

米国PING社のヘッドを製造している工場(米国ドルフィン社)に潜入し、鋳造アイアンのヘッドができるまでをお伝えする。ここの製造方法はロストワックス製法を採用。ロウで成形した型にコーティングを施し、その後ロウを溶かすことによって鋳型を得ることから「ロストワックス」と名付けられている。形状・材質を自由にできる加工方法として、多くの工業製品にも取り入れられている。

他ではなかなか見られないアイアンヘッドができるまでを、フォトギャラリー形式で一挙公開。(米国アリゾナ州フェニックス/宮田卓磨)

1.まずロウの型を成形するための金型を作成する
2.次にその金型にロウを流し込んでヘッド形状の形状を作る
3.ロウで出来たヘッドのパーツを複数つなげて「ツリー」を作成する
4.ツリーに特殊な液体をつけてから
5.セラミックの粉を吹きつけ、鋳型を成形していく
6.乾燥させてからこの工程を何度も繰り返し、何重ものセラミックコーティングを施す
7.いよいよメインイベント!鋳型に鉄を流し込む作業に入る
8.大きな釜でステンレスを溶かす。ヘッドにならないツリーの部分は再利用している
9.ステンレスの温度は2000度。ひび割れを防止するため鋳型も同じくらいに温めてからステンレスを流し込む
10.流し込んだ後は、自然冷却してステンレスが固まるのを待つ
11.ステンレスが固まったら、大きなハンマーでツリーごと叩き、鋳型となっていたセラミックの殻を落とす
12.ツリー状になっているヘッドの束を、ヘッド単体に切り離す
13.切り離した時のバリなど大まかな研磨を機械で行う
14.ヘッドをサンドブラストにかけ、表面の研磨を行う
15.ここからは職人の出番。ヘッド1つ1つを丁寧に研磨し、大部分の研磨を行う
16.さらにホーゼル部分や細かい部分を研磨する
17.オートクレーブで真空状態にして高温で熱処理する。この行程のおかげで、PINGのアイアンはステンレスでありながら角度調整が可能になっている
18.完成後は数値を測定し、欠陥品がないかチェックを行う
19.これで鋳造ヘッドが出来上がり。ヘッドの装飾や表面の仕上げなどは組立工程で行う