トンプソンへの4罰打に男子選手も非難続々 ミケルソンは”根本”指摘
◇メジャー第1戦◇マスターズ 事前情報(4日)◇オーガスタナショナルGC(ジョージア州)◇7435ヤード(パー72)
前週の女子メジャー「ANAインスピレーション」で、レキシー・トンプソンが最終ラウンド中に前日3日目のルール違反による4罰打を科された問題が、オーガスタに集まった男子選手の間でも話題となっている。
トンプソンは最終日、前日の17番ホールでバーディパットを打つ直前、マークした地点とは別の場所にボールを置き直していたと、テレビ視聴者の指摘で発覚。誤所からのプレーの2罰打に加え、スコア誤記による2罰打で、最終ラウンドの途中に4打のペナルティを受けた。トンプソンは最終18番でバーディを決めて首位タイでホールアウトしたが、ユ・ソヨン(韓国)にプレーオフで敗れた。
タイガー・ウッズらは問題ぼっ発直後にSNSで、テレビ視聴者からの指摘で事態が動いたことに反発した。
リッキー・ファウラーは3日(月)の会見で「レキシーはかわいそうだった」と言い、トンプソンを擁護。「観ている人からの電話やメールに取り合うスポーツは、ほかにはない」。ルール違反の対象となったプレーの罰打を翌日に加えた裁定を「試合が終わって、月曜日に問題が発覚したらどうなるのか」と疑問視した。
メジャー通算18勝のジャック・ニクラスも「ラウンドが終わった後、スコアカードにサインされた時点で、その日のプレーはもう完了。これが私の意見だ」と、当該ラウンドから時間が経過してからペナルティを科す現行の規則に反対した。
フィル・ミケルソンも「30cmほどのパットで、マークが雑になっても(トンプソンに)有利に動くことはない。意図的でなくても、こういうことは起こりうる。裁定は覆され、彼女がトロフィをもらうべきだ」と賛同。ただ一方で、レフティが口にした“根本の問題”が興味深い。
「僕はツアーで、マークの置き方がいい加減で、指摘されていない(男子)選手が何人かいると思っている。マークよりも2インチ、3インチ前にボールを戻す(ホールに近づける)んだ。こういうのには意図的なものを感じる。やめさせなきゃいけない」。男女ツアーが日常的にルール順守を啓蒙すべきだとの考えを示した。(ジョージア州オーガスタ/桂川洋一)
■ 桂川洋一(かつらがわよういち) プロフィール
1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。ツイッター: @yktrgw