米プロゴルフ協会の采配に疑問噴出 火曜フィニッシュもあり得る?
不毛な中断時間をじっと過ごし、記者たちにもストレスがたまっていたのだろうか。「全米プロゴルフ選手権」3日目は、悪天候のため上位の選手がスタートできないまま順延となった。順延決定後、状況説明のために開かれた米プロゴルフ協会(PGA of America)大会責任者のケリー・ヘイグ氏の記者会見は、運営方法について厳しく追及する弾劾裁判の様相となった。
雷雲接近で中断となったのは午後2時過ぎ。なぜ天気予報を見越して、早い時間に3サム2ウェイ(3人1組で1番と10番から)で出さなかったのか?――というのが、記者たちのぶつけた批判だ。
ヘイグ氏は言う。「天気予報はこの3日間とほぼ同じで、気温32度の夏空で午後に雷雨の可能性があるというものだった。メジャー大会だし、いつでも可能な限り、1番から1ウェイでスタートさせようと考えている」。
(記者)天気予報は100%ではないけれど、2つのスタートティを使うことに比べて高いリスクを、あえて取ったのはなぜか?
「さっきも言ったように、天気予報がこの2日とほとんど同じだったからだ。メジャー大会は、メジャー大会のように運営したい。選手たちにとって、1番から順番にプレーしていくことは重要だと考えている」
(記者)でも、最初の2日間は2つのティを使っている。なぜ3日目はダメなんだ?
「(予選2日は)156人がプレーしている。日没までに終わらないだろう」
すべては「天気予報が悪い方に当たった」という主旨の返答に終始したヘイグ氏。その後も「最終日に36ホールをプレーするのは、年配の選手に不利ではないか?」「組み替えなしでは(第3ラウンドに伸ばした上位の)キスナーやハリントンには不公平では?」と、厳しい質問が浴びせられた。
ここバルタスロールGCで前回開催された2005年の「全米プロゴルフ選手権」も最終日に雷雨に見舞われ、月曜日フィニッシュとなった。今年は日曜日に加えて、月曜日も雷雨予報が出ている。火曜日までの長期決戦となる可能性があることも、この会見を殺伐な雰囲気にした一因だろう。(ニュージャージー州スプリングフィールド/今岡涼太)
■ 今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール
1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka