2016年 WGCキャデラック選手権

宮里優作が描く選手会長像

2016/03/06 08:35
WGC初出場の宮里優作。連日プレー内容には不満のラウンドだが、どこか楽しげだ

フロリダ州で開催中の「WGCキャデラック選手権」は、宮里優作にとって2016年の4試合目だ。1月の米ツアー「ソニーオープンinハワイ」で新シーズンを迎え、直後に国内ツアーとアジアンツアーの共同主管競技「SMBCシンガポールオープン」「レオパレス21 ミャンマーオープン」に出場。今週は前年度の日本ツアー賞金ランキング2位の資格で、初の世界選手権シリーズに臨んでいる。

「74」で回った3日目を終えて通算7オーバーの55位タイと戦況は苦しい。「きょうはアイアンショットが全然ダメ。ボールを低く抑えようとすると、アドレスで足とボールが離れる悪い癖が出た」。口をつくのは反省ばかり。ただ「やっぱりアメリカのコースは『こういう球を打ってきなさい』という明確なイメージが出る。あと3日くらいほしい。すごくレベルアップして帰れそう」と、姿勢はポジティブそのものだ。

スーパーアマチュアとしてならした学生時代を経て、宮里にはプロ転向後に米ツアー挑戦を志した時期がある。スポット参戦を続ける傍ら、フロリダのコースで合宿を行い、2日間競技のミニツアーなどにも出場して腕を磨いた。試合に出るためのエントリーも、いまのように手助けがあったわけではない。それでも「楽しかった」武者修行だったという。

今年1月に日本ツアーの選手会長に就任した。オフシーズンから多忙を極める毎日だが、とりわけ海外での試合に「出られるうちに出ていきたい」と意欲的だ。

「海外に出られる選手がどんどん出ていかないと。それがまた(日本)ツアーの良い宣伝にもなるし、(経験を還元することで)またツアーがレベルアップしていく」。2足のわらじを履いて歩く道を、国内にとどめるつもりはない。

もちろんそこには、1プレーヤーとしての将来像もある。米ツアー挑戦の夢はあきらめられない。「考えている。PGAツアーに来るまでに3年くらいかかると思うけれど」。東北福祉大の同級生だった岩田寛の存在を見過ごせるわけもない。「うまくいけば、寛みたいにトントンと…。でも自分はどちらかといえば段階を踏んでいくタイプ。きっとやりたくなってくる。いつでもスキあらば…。40代になってからでも。逆に40代になってからの方が出ていきやすいかもしれないし」

次週は南半球に飛び「BMW ISPSハンダ ニュージーランドオープン」に参戦。4月の国内開幕まで、フレッシュな空気を全身に吸い込む。(フロリダ州ドラール/桂川洋一)

■ 桂川洋一(かつらがわよういち) プロフィール

1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。ツイッター: @yktrgw

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