2014年 BMW選手権

これぞアメリカンドリーム?ブービーから10ミリオンへの道

2014/09/07 11:06
快進撃を続けるモーガン・ホフマン(Doug Pensinger/Getty Images)

2007年から米国男子ツアーのシーズン終盤戦を彩るようになった全4戦にわたるフェデックスカッププレーオフ。レギュラーシーズン終了時点のフェデックスカップポイントランキング上位125人が初戦「ザ・バークレイズ」に臨み、その後各試合終了時点でのランキング下位選手が脱落していくシステムだ。

このシリーズにおいては、レギュラーシーズンの試合よりも各順位に配分されるポイントが多いため、順位が一気に上下する可能性がある。今年、その“主役”と言えそうなのが、モーガン・ホフマンというプレーヤー。昨シーズン初めてツアーに昇格した未勝利の25歳だが、目をひく勢いを見せいてる。

ホフマンはプレーオフに入った段階でランキング124位、つまり下から2番目のブービーに位置していた。

すると第1戦「ザ・バークレイズ」で9位フィニッシュを決め、上位100人が出場権を手にした翌週の「ドイツバンク選手権」では35位に入り、ランクを2試合で68位まで上げて(56ランクアップ)第2戦を突破した。

そして今週の第3戦「BMW選手権」。初日から2日連続で「72」として4オーバーの53位に低迷していたが、3日目に9バーディ、1ボギーで通算4アンダーの10位タイに急浮上。「あと3つはバーディチャンスがあったんだ」と話したホフマンがマークした自己ベスト「62」は、1980年以前は不明とのことだが、チェリーヒルズCCのコースレコードの可能性が高いという。

「僕には失うものがないから。ただ楽しもうと思っただけ」と笑う新鋭に、まだ年間王者が獲得する10ミリオンドル(約10億円)獲得のチャンスが残されているのも事実。過去、プレーオフ4戦において最も順位を上げて終えたのは2009年のヒース・スローカムで、初戦を124位で迎え、最終戦を終えて8位に入った(116ランクアップ)。

ランキング上位30人が参戦する次週の最終戦「ツアー選手権byコカ・コーラ」に出場するためには、今大会で3位前後でのフィニッシュが要求されている。「明日もできるだけアグレッシブにいって、好スコアを出したい。そうしない理由なんてないだろう?」と、いっそう鼻息を荒くした。(コロラド州デンバー/桂川洋一)

■ 桂川洋一(かつらがわよういち) プロフィール

1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。ツイッター: @yktrgw

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