2014年 マスターズ

オーガスタで“初”の女性チャンピオンが誕生していた!

2014/04/15 15:38
国内でもトーナメント会場でジュニアへのレッスン会などが行われている※写真は2010年「ヨネックスレディス」

オーガスタナショナルGCで行われた今季メジャー初戦「マスターズ」は、史上最年少優勝を目指したジョーダン・スピースを、圧倒的な飛距離と自在に球を操る“感性のゴルフ”のバッバ・ワトソンが突き放し、2年ぶり2度目の制覇に涙した。実は、ちょうど1週間前の日曜日、同じオーガスタではもう1つ歴史的な出来事が起きていた。初の“女性”チャンピオンが誕生したのだ。

今年からUSGA(全米ゴルフ協会)とPGA・オブ・アメリカ、そしてオーガスタナショナルGCが連携して始めた「ドライブ・チップ・アンド・パット」という大会。全米各地で予選会を開催し、勝ち上がった7歳から15歳までの男女88人が年齢別に4つのカテゴリに分かれて、ドライビング、チッピング、パッティングの技術を競い合った。

ドライビングとチッピングは練習場を使って行い、最後のパッティングは本戦の18番グリーンが舞台となる。子供たちが興奮しながら競い合う様子を、マスターズ出場予定で早めに会場入りしていた選手たちも観戦した。たまたま居合わせたB.ワトソンは、わざわざ子供たちに歩み寄り、ひとりずつ丁寧に握手をして回ったほどだ。

7歳から9歳・女子の部。カリフォルニア州サンタモニカに住むケリー・シュー(9歳)が、オーガスタで初の女性チャンピオンに輝いた。「ここオーガスタナショナルは、私にとって世界で一番特別な場所。一生懸命練習してきたことが報われて、本当に嬉しいわ」。

5歳からゴルフを始めたシューは、大会前に両親と“もし勝ったらペットを飼っていい?”と約束をしていたという。ケリーの予定は決まっている。犬と猫を1匹ずつ、それぞれに「オーガスタ」と「ジョージア」という名前をつけるのだ。

ケリーだけではない。「人生を変える経験だった」と、12歳から13歳・女子の部で優勝したナタリー・ピエトロモナコは目を輝かせた。この決勝大会に進出し、オーガスタの地を踏んだ誰もが、一生心に残る記憶を刻み込んだことだろう。

今年は約17,000人が参加した地区予選だが、来年は全米50州、50,000人規模で行われることが決まっている。オーガスタ、そしてマスターズの名の下に、アメリカではゴルフの底辺拡大の動きが加速している。(ジョージア州オーガスタ/今岡涼太)

2014年 マスターズ