「悲劇だね・・・」スネデカーが下した決断とは?
カリフォルニア州モントレー、太平洋に突き出したこの半島には多くの美しいゴルフ場が存在する。紺碧の太平洋に砕ける白い波頭に、赤茶けた岸壁と緑のフェアウェイのコントラスト。ジョーダン・スピースは「世界でもっとも素晴らしいゴルフ環境」と評し、ブラント・スネデカーは「世界でもお気に入りの場所」と褒め称える。
今週「AT&Tペブルビーチナショナルプロアマ」が開催されるメインコース、“ペブルビーチ・ゴルフリンクス”では、これまでジャック・ニクラス、トム・ワトソン、マーク・オメーラ、ペイン・スチュワート、タイガー・ウッズといったチャンピオンたちが誕生してきた。「ここに戻ってくるのは、いつでも最高のこと」。昨年、その偉大なリストに名前を残したスネデカーも感慨深げだ。
その一方で、この大会を苦手とする選手もいる。3コース(他にスパイグラスヒルGC、モントレーペニンシュラCC)を順番にプレーしながら、ラウンドはセレブリティ(アマチュア)と一緒に回る。時間も掛かるし、複数コースをはしごするのも面倒だ。しばしば雨と寒さにも祟られる。
スネデカーはきっぱりと切り捨てる。「ネガティブなことを言う人もいるけど、それを受け入れればいいと思う。僕はこの大会を通して多くの素晴らしい友達ができたし、コース自体も最高だ。僕にとっては、旧友に会って素晴らしいコースでプレーができる、まさにウィン-ウィンの関係だよ」。
昨年、今大会を制したスネデカーだが、その直後に左下部の肋骨を痛めて約1ヶ月戦線離脱。昨年末には、中国で左膝を痛めてしまった。「この年(33歳)にしては怪我が多すぎるよね」。今年の目標は“1年間、健康でいること”というスネデカーは、今年に入ってある決意をした。
「炭酸をやめて、飽和脂肪酸(バターやピザ、肉や牛乳に多く含まれる)やファストフードを食べないようにした。悲劇だけどね・・・。だって、それは今まで大好きなものだったから」。体質改善をして怪我を未然に防いでいく。「はじめてから3週間、好きなものを食べられないから幸せじゃないけど(苦笑)、体の調子は良くなったよ。このまま1年間怪我をしなかったら、ずっとやっていくことになると思う」。
フェデックスカップを制したこともあるスネデカーの改心。PGAツアーの第一線で活躍するには、“受け入れなければならないこと”は少なくない。(カリフォルニア州モントレー/今岡涼太)
■ 今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール
1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka