連日の日没サスペンデッドに、不公平さは否めない
大会3日目の朝、6時45分のスタートに合わせて石川遼は、暗闇の中でクラブハウスに到着。まだ、足元が暗くて歩くこともままならぬ状況で練習場へ向かった。米国男子ツアー「ノーザントラストオープン」は、初日、2日目と日没サスペンデッドになったため、予選ラウンドの遅い時間にスタートした選手たちが、翌早朝からプレーを再開する事態となっていた。
天候不良やコースコンディション悪化による中断などの場合は、サスペンデッドも十分考えられるが、今回は風が強かったぐらいで競技の中断などなかったにも関わらず、多くの選手に影響が出てしまった。
PGAツアーでも、スロープレーなどを指摘される選手が増加、問題視されている。しかし、問題はそこだけはなさそうだ。春先のこの時期は日の出が6時30分で日の入りが17時40分と夏に比べれば日照時間が短い。にも関わらず、予選ラウンドを144名で行うために、少しでも進行が遅れると、日没になることが頻繁だ。
今大会の会場にも原因はありそうだ。年々コースの飛距離を伸ばすために、ティグラウンドが徐々に下げられていった。そのことで、他の組がグリーン上でプレーをしているすぐ横でティショットを行うことになる。その場合は、拍手や歓声などを配慮し、互いに譲りあいながらプレーをするための時間を要してしまう。
また、この大会ならではなのが、10番ホールは315ヤードと距離が短いために1オンを狙う選手が続出。ここでもティショットを打つまで時間がかかり進行が遅れる。例年、日没の心配をしながら予選ラウンドを行い、トップ組は6時45分スタートにしても、今回のような事態になっている。次なる対策は出場選手数を減らすしかなさそうだ。
初日に日没でホールアウトできなかった池田勇太は「みんな同じ条件だからしょうがない」と話していたが、本当に同じ条件なのだろうか。予選の組み合わせはPGAと主催者で決めているが、そこで最終組に入れられた選手は、日没を心配しながらプレーし、翌朝は必要以上に早起きをして試合に挑まなければならない。出場選手の中での不公平さを出さぬよう対応をすべきだ。(ロサンゼルス/本橋英治)