プレジデンツカップ会場に“あの人”の写真がないのは偶然?
◇米国選抜VS世界選抜対抗戦◇プレジデンツカップ 初日(22日)◇クエイルホロークラブ(ノースカロライナ州)◇7576yd(パー71)
メジャーをはじめとする大きな試合の特設メディアセンターでは、過去大会の名シーンを切り取った写真を大きく引き伸ばして壁を飾ることが珍しくない。2年に1度の対抗戦でも同様なのだが、写真のチョイスにわずかな“違和感”を覚えた。
PGAツアーのメディアスタッフが働くエリアの背後にある写真は、選手たちがカップに手を伸ばして全員で喜ぶ米国選抜に対し、世界選抜はカップを掲げたスチュアート・アップルビー(オーストラリア)がセンターで目立つ構図。ほかの選手たちは引き揚げていく途中で、ちょっとタイミングを外している感もある。
世界選抜が唯一の勝利を挙げ、丸山茂樹がMVPに輝いた1998年大会のものだ。「もうちょっといい写真があったんじゃ…」と思いながら眺めていると、寄ってきた大会スタッフが丁寧に説明してくれた。「まだフィルムの時代だし、(最終日は)雨も降っていたからねえ」。何だか分かるような、分からないような…。
1番ティを囲むスタンドの裏側には、米国選抜のジャック・ニクラス、アーノルド・パーマー、タイガー・ウッズ、世界選抜のゲーリー・プレーヤー、ニック・プライス、アーニー・エルスといった歴代主将の巨大な写真が存在感を発揮しており、ほかにも過去の名シーンを飾っているエリアがあった。ただ、コースを歩き回っても“あの人”を見つけることはできなかった。
サウジアラビア政府系ファンドが資金提供する「LIVゴルフ」の推進役としてPGAツアーとの対立が激化しているグレッグ・ノーマン(オーストラリア)。1998年を含めて選手として3大会に出場し、2大会で主将を務めている。もしかすると、メディアセンターの写真が“微妙”だったことにも「LIV」が影響しているのか…。
勝手にこじつけて考えていると、米国選抜の写真で歴代最多12回の出場を誇るフィル・ミケルソンの顔がほとんど隠れていることも気になってくるから不思議だ。(ノースカロライナ州シャーロット/亀山泰宏)
■ 亀山泰宏(かめやまやすひろ) プロフィール
1987年、静岡県生まれ。スポーツ新聞社を経て2019年にGDO入社。高校時代にチームが甲子園に出場したときはメンバー外で記録員。当時、相手投手の攻略法を選手に授けたという身に覚えのないエピソードで取材を受け、記事になったことがある。