2015年 ISPSハンダ オーストラリア女子

横峯さくらの予選落ちはニュースか? 否か?

2015/02/20 20:13
カットラインに1打届かず、2戦連続の予選落ちとなった横峯さくら

オーストラリアのロイヤルメルボルンGCで行われた「ISPSハンダ オーストラリア女子オープン」2日目の朝、スタートティでのアナウンスが横峯さくらの置かれた現状を象徴していた。「サコラ・ヨコモネ!」苦笑いでティオフしたが、今年がルーキーイヤーで出場は2試合目。まだ、米国女子ツアーでは新参者だ。

午後スタートだった初日に4オーバーの84位と出遅れた横峯はこの日、序盤の2ボギーを後半2つのパー5で取り返して、予選通過圏内で残り4ホールを迎えていた。時間は正午過ぎ。15番で2打目をバンカーに入れてボギーとすると、17番(パー5)では「午前と同じ(グリーンの)硬さで打ってしまった」と3打目をグリーンオーバーさせて痛恨のボギー。これがあだとなって、カットラインに1打届かず、2戦続けて予選落ちとなってしまった。

日本では連続予選通過101試合の記録を打ち立てるなど、横峯の“予選落ち”はそれだけでニュースとなる。だが、米ツアー参戦後は連続して予選落ち。はたと考えた。果たしてこれはニュースだろうか?

横峯は唇を噛む。「今はそれが当たり前になってしまっている。日本では23勝しているのに、こっちに来たらどうしても自分のことを下に置いて、自分のプレーもしていないのに、先にあれもやらなきゃ、これもやらなきゃと思って、普段やらないような練習もしてしまう。まずは自分自身のプレーをして、何が足りないのかはそれからだと思うのだけど…」。

米ツアーの序盤戦は出場人数が限られており、ウェイティングやマンデーに回ることも少なくない。プロアマへの出番もなく、4日間大会が主流。1週間の過ごし方も国内ツアーとは違っている。

小学生時代からしのぎを削ってきた宮里藍は、試合毎に変わる芝や環境が、日本ツアーとの違いと指摘。「でも、4月くらいになったら、普通に毎週(予選を)通っていると思いますよ」と付け加えた。

実際、今週のプレーを他の選手と比較してみても、横峯がすべてのプレーにおいて、高いレベルにあることは間違いなさそうだ。ただ、それが少し噛み合っていないだけ。

今後の2戦(タイ、シンガポール)は出場権がなく、米本土に上陸後の「LPGAファウンダーズカップ」もウェイティングで試合出場が決まっていない。ペースをつかみかねる、この過程もルーキーの宿命だろう。うん、やはり横峯さくらの予選落ちは“ニュース”として扱おう。(オーストラリア・メルボルン/今岡涼太)

■ 今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール

1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka

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