ラウンド中に訂正されたピンポジション 既にホールアウトした選手は?
ここに2枚のピン位置を記した紙(写真)がある。共に英国ロイヤルバークデールGCで行われている海外メジャー「全英リコー女子オープン」2日目のものだが、その数値は微妙に異なっている。左はこの日の朝一番に配られたもの。右はその後に訂正されたものだ。
この訂正が行われたタイミングが問題だが、それはちょうど佐伯三貴の組(第7組)が1番のセカンドショットを打ち終えた後だった。つまり、その前の6組はすでに数ホールを消化しており、たとえば第4組の宮里藍組には、5番のティショットを打ち終えたときに、新しいピンポジションシートを持ったオフィシャルが現れたという。
1番のピン位置は、当初のシートによるとグリーン手前20ヤードで右6ヤード、だが新しいシートでは手前15ヤードで右7ヤード。縦距離で5ヤード違っている。その他にも1ヤードほどの誤差がほとんどとはいえ、変わっていないのは6ホールのみ。残り12ホールで違う数値となっている。
大会を運営するLGU(Ladies Golf Union)の競技委員の説明によると、この変更が起きたのは「9番のカップを切ろうとした際に、グリーン上にピッチマークがあったため(変更を余儀なくされた)」ということだった。だが、その他のホールの変更に関しては「なぜ、そうなったのか分からない」と明確な答えは得られなかった。
では、「もし、既に数ホールを消化していた選手から、『この間違った情報のためにスコアを落とした』というようなクレームが入ったらどうするのか?」と聞いてみた。その競技委員の説明では、「(新しいシートを渡したときに)全7組、すべてのプレーヤーが問題ないと言っていた」とのこと。確かに、それならクレームの出ようもないが、その実態は少し説明とは違っていたようだ。
「ただ、新しい紙を渡されただけだった」という日本人選手がいたのも事実。だが、競技委員が先述のように説明する以上、この件に絡んで今後スコアが変更されることはありえないだろう。外国人選手からのクレームも聞こえてこないし、現時点で大きな混乱も起きていないが、こんな事件が起きていたことを記録として残しておきたい。(英国サウスポート/今岡涼太)
■ 今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール
1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka