2013年 全英リコー女子オープン

宮里藍が落ちたリンクスの罠

2013/08/03 05:26
13番で痛恨の「9」。リンクスコースは何を教えてくれたのか。

たったの1ホール、もしやり直しが利くのなら・・・。「全英リコー女子オープン」2日目が終わっても、そんな叶わぬ願いが頭から離れない。セントアンドリュース・オールドコース、13番パー4で宮里藍が叩いた「9」。この+5が、宮里を2日早く大会から立ち去らせた。

伏線はあった。前日の同ホールで、宮里はティショットをラフに入れ、2打目はすぐ先のバンカーへ。ダブルボギーを叩いていた。

2日目は前半からバーディチャンスを量産。1番ではディボットからの2打目を「上手く打てて絶好のバーディチャンス」につけるも、決めきれない。風が強く吹いた2日目の午後、グリーン上での風の読みが噛み合わず、1番から7番まで「結構なチャンス(苦笑)」につけるも、バーディパットはわずか1つもカップの快音を響かせない。

8番(パー3)でボギーが先行。9番、10番とバーディパットはカップに蹴られた。「おー、なかなか流れが来ないな」。宮里は心の中でつぶやいた。

一つスコアを落として、通算2アンダーで迎えた13番。ドライバーでのティショットはクロスバンカーに捕まってしまう。2打目は横へ出しただけ。グリーンを狙った3打目は、再び小さなポッドバンカーに転がり落ちた。

ピン方向には高い壁。「若干ボールは沈んでいたけど、自分ではいけると思った。ミックも出ると思うと言ってくれた」。しかし、このバンカーショットは土手に当たって下へと落ちる。次の1打はバンカー内でのレイアップ。6打目でグリーンに載せたが、傷心の3パットでこのホールを後にした。

「あっさり(横に出して)ダボにしてもよかったんだけど、その辺は気持ちの流れが難しい。12番のボギーの後だったし、ダボで良いとは思えなくて・・・。昨日の13番のダボもあるので、気持ち的になかなか割り切れなかったのが私の判断ミス。同じホールで2日連続ミスしているというのが、4打目のミスに繋がったと思います」。

宮里は、“設計者の意図にはまってしまった”と表現する。自然が支配するリンクスコースは、選手に謙虚であることを要求する。風や雨や寒さや怒りにじっと耐え、ただひたむきに前を向く。「気持ちの割り切り方を、今回また勉強した感じです」。宮里は、いつかたどり着く頂きに向けての学びを、また一つ積み重ねた。(英国セントアンドリュース/今岡涼太)

■ 今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール

1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka

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