「自分は何をしているのかな」 欧州3戦で渋野日向子が感じたこと
◇女子メジャー第5戦◇AIG女子オープン(全英女子オープン) 最終日(7日)◇ミュアフィールド (スコットランド)◇6649yd(パー71)
全英女子オープンでの優勝争いは、前2週間の成績だけを見ると考えられなかった。「アムンディ エビアン選手権」からの欧州3戦は、渋野日向子にどんな変化をもたらしたのだろう。
今季ここまでトップ10が3度あったが、予選落ちも4試合あった。好スコアを出して上位につけたと思ったら、翌日は70台後半をたたいて下位に沈むこともある。「ゴルフは日替わり」と気を落ち着けながら、自分でも予想できない浮き沈みの怖さは常に胸の内にあった。「自分は何をしているのかなって、どうしたいのかなと思ってゴルフをしている時間が長くて。わけが分からなくなりながら、とりあえず試合をこなすっていうのが続いていた」と、試行錯誤が続く中で欧州3連戦を迎えていた。
エビアン選手権では通算9オーバーと最下位に近いところで予選落ち。前週の「スコットランド女子オープン」は、初日に6月の「ショップライトLPGAクラシック」(17位)以来のアンダーパーをマークしたが、2日目に「75」をたたいて予選落ちだった。「先週は、エビアンとは違う予選の落ち方ではあるなと良いふうに捉えて、先週の土曜日からすごく練習にも熱を入れてできた」と悔しい試合が続いたが、同時に何かが変わってきている手ごたえもあった。
そのなかで迎えた全英女子オープン初日は、「65」をマークして単独首位。ついて回る「予選落ち」の恐怖と戦いながら、最後まで崩れることなく優勝争いに食い込んだ。「いやー、まさか、3位に入るとは思っていなかったです」と笑ったが、胸に残る悔しさが本気で優勝を狙える位置で戦ったことを物語る。
崩れる怖さはまだ消えない。「最近の自分のゴルフを考えると、よく頑張ったかな…と、思いたいと、思います」と、話す声のボリュームはだんだんと小さくなっていく。まだ100%自分を信じることはできないが、「楽しむ気持ちを思い出させてくれた」という全英での一週間は、「ゴルフは日替わり」と、あしたに期待する気持ちをほんの少し後押ししてくれそうだ。(スコットランド・ガレイン/谷口愛純)
■ 谷口愛純(たにぐちあずみ) プロフィール
1992年生まれ。社会部記者、雑誌の営業その他諸々を経てGDOに入社。ゴルフは下手すぎて2017年に諦める。趣味は御朱印集めと髪色を変えること、頭皮を想って最近は控えてます。