欧州で活躍を誓う、可憐な女子プロゴルファー
日本ツアーへの出場資格がなく、海外ツアーに活躍の場を求めるプロゴルファーは少なくない。その内の1人が、今週の欧州女子ツアー「ANZレディスマスターズ」に出場している櫻井有希だ。
シード権を持たないプロがレギュラーツアーに出場するには、予選会で上位に入る必要がある。しかし、櫻井は昨年の予選会でわずか1打及ばず、1次予選で姿を消した。さらにプロテストに合格していない櫻井は、主催者推薦すら受けることができない。つまり、今季はレギュラーツアーに出場する術がまったく無いのだ。
そこで櫻井が選択したのは、海外ツアーへの参戦。欧州女子ツアーの予選会を受けたのは、昨年の11月。ここで60位に入り、フル参戦とはいかないまでも条件付きでツアーに出場するチャンスを掴んだ。その開幕戦は前週の「ANZマスターズレディース」。ここで5位タイに入る大健闘を見せ、日本でも一気に知名度が広がった。今週は試合開催前から日本の報道陣に囲まれ、「すごいですね…」と、戸惑いの表情を隠せないほど。また、プレーの場として視野に入れているのは欧州だけではない。米国女子の下部ツアーである「フューチャーズツアー」、さらにはアジアンツアーへの参戦も予定しているという。華奢で可憐な容姿からは想像しがたい、男勝りの逞しさを内に秘めている。
今季は海外転戦の隙を見て、日本ツアーの予選会とプロテストにも出場する予定だという。しばらくは多忙なスケジュールが続くが、プロゴルファーとして生きる道を、自らの実力と行動力で切り開こうとする櫻井の今後に注目したい。(編集部:塚田達也)
■ 塚田達也(つかだたつや) プロフィール
1977年生まれ。工事現場の監督から紆余曲折を経て現在に至る。35歳を過ぎてダイエットが欠かせなくなった変化を自覚しつつ、出張が重なると誘惑に負ける日々を繰り返している小さいおっさんです。