2013年 富士フイルムシニアチャンピオンシップ

奥田靖己、青木功の渇に開眼

2013/11/07 19:45
「気持ちひとつでボールは変わる」。青木功からの言葉を心に刻んだ奥田が首位発進を決めた

青木功が5度目のエージシュートを達成した今季第11戦「富士フイルムシニアチャンピオンシップ」の初日、奥田靖己が5アンダーの「67」をマークして単独首位の好スタートを切った。この好スタートの要因というのが、前日練習ラウンドでたまたま9ホールを共にしたという青木の一言だったという。

「おまえ、都合のいいことばっかり考えてるだろ?」

練習ラウンドの最中、何度も奥田に浴びせられたこの言葉。リスクや失敗から目を背け、ショットの成功しか考えていなかったことを見透かされ、「脳みそをえぐられるほど」の刺激を受けた。

昨年大会では、最終ホールに“あわよくば”という望みをかけて2オンを狙った第2打をグリーンサイドの池に入れてボギーとし、屈辱の2位タイフィニッシュ。レギュラーツアーで6勝を挙げた実績を持つ奥田も、国内シニアツアーでは未勝利で、今季は2位が2回と勝機を目の前で逃してきた。

青木に気付かされたのは、「えげつなく狙っていく」ということ。言葉の深意を汲み取った奥田は、早速この意識にシフトして初日に臨んだ。「プロゴルファーとはこういうもの。気持ちでボール(の行方)は変わるでしょっていうことを伝えてくれた」。

この日エージシュートを達成した青木を、「当然ですよ。青木さんは“えげつない”ゴルフを70歳になってからも続けているんですから。僕らとは違うベクトルをいっている」と賞賛。「出来ても出来なくても、そっちの方向を向けるかが大事。青木さんには感謝ですよ」と、リーダーボードの一番上から大先輩へと頭を下げた。(千葉県木更津市/糸井順子)

■ 糸井順子(いといじゅんこ) プロフィール

某自動車メーカーに勤務後、GDOに入社。ニュースグループで約7年間、全国を飛びまわったのち、現在は社内で月金OLを謳歌中。趣味は茶道、華道、料理、ヨガ。特技は巻き髪。チャームポイントは片えくぼ。今年のモットーは、『おしとやかに、丁寧に』。

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