“昇格”した「パナソニックレディース」 グローバル企業がゴルフに託す思い
◇国内女子◇パナソニックオープンレディース◇浜野ゴルフクラブ (千葉)◇6566yd(パー72)
20歳の勝みなみがツアー3勝目を挙げて幕を閉じた国内女子ツアーの第1回「パナソニックオープンレディース」。改元に伴う史上初めての10連休後半に開催され、3日間で1万5157人のギャラリーが来場した。
冠スポンサー(特別協賛社)の電機大手「パナソニック」は昨年まで、国内女子下部のステップアップツアーで同名の大会を3年続けて開催してきた(2016年は支援、17年以降は日本女子プロゴルフ協会との共催)。言ってみれば、今年からレギュラーツアーに“昇格”した格好だ。
同社スポンサーシップイベント推進室長の園田俊介さんは格上げの理由について「オリンピックによりダイレクトにつながるところで、支えていければと考えた」と説明する。どういうことか?
2016年のリオデジャネイロ五輪で112年ぶりに競技種目として復活したゴルフの各国代表は、男女とも世界ランキングに基づく独自の五輪ランキングにより、上位選手から自動選出される。これは20年の東京大会でも同様だ。
プロゴルフの各大会に付与される世界ランクのポイントは、出場する選手層の厚さによって変わってくる。下部ツアーよりもランク上位が多いレギュラーツアーで活躍したほうが、より多くのポイントを獲得でき、世界ランクを上げるチャンスは増えるというわけだ。
園田さんは「主催者推薦でアマチュアの選手や若い選手に出場のチャンスを提供し、最終的にオリンピックや海外のメジャーにつながれば」と、世界にも目を向けた取り組みだと強調した。
ちなみに同社は1988年から五輪の最高位スポンサー(TOP)、2014年からは日本企業として初めてパラリンピックのTOPを務めている。
女子ツアーのほかにも2008年からは国内男子ツアー「パナソニックオープン」を開催、17年には男子アジアンツアーのポイントレース「パナソニックスイング」を始めており、プロゴルフに投じる熱量は日本を代表するグローバル企業として随一とも言える。
園田さんは「ゴルフはBtoB(対企業)事業を進める上で、コミュニケーションの機会としてひとつのツールになる。さらに一般のお客さんにも楽しんでもらい、パナソニックというブランドを理解してもらう狙いがある」とし、世界規模でBtoB、BtoC(対消費者)の両事業を展開する同社の企業活動とゴルフとの親和性に触れた。(編集部・石井操)
■ 石井操(いしいみさお) プロフィール
1994年東京都生まれで、三姉妹の末っ子。2018年に大学を卒業し、GDOに入社した。大学でゴルフを本格的に始め、人さまに迷惑をかけないレベル。ただ、ボールではなくティを打つなどセンスは皆無。お酒は好きだが、飲み始めると食が進まないという不器用さがある。