最少ストロークVから3年 堀奈津佳が語る現在
兵庫県の花屋敷GCよかわコースで8日に開幕する「スタジオアリス女子オープン」に、2015年からスタジオアリスとスポンサー契約を結ぶ堀奈津佳が主催者推薦枠で出場する。
昨年末のQTに失敗し、今季のツアー出場権を持たない堀は、2週間前の「アクサレディス」に続く2試合目の出場。開幕前日の7日は「本当は優勝したいけど、今はそんな状況ではない。どこまでできるか分からないけど、最後まで一生懸命やることが大切だと思っています」と話した。ここ数年低迷している23歳は、ホステス大会への抱負を聞かれても言葉を弾ませることが難しい。
ツアー参戦3年目の13年に初優勝を含む2勝をマークし、賞金ランク10位に躍進。2勝目の6月「アース・モンダミンカップ」では、72ホールのツアー最少ストロークを更新する「267」(通算21アンダー=パー72)を記録した。そのポテンシャルからさらなる飛躍への期待が寄せられたが、以降は急速にスポットライトから遠のいていった。
翌14年はトップ10フィニッシュが5試合あったものの未勝利で賞金ランク44位。昨シーズンは18位がシーズンベストで、22試合予選落ちを喫して賞金シード喪失。ファイナルQTも99位に終わった。昨年8月から出場14試合連続で決勝ラウンドに進めていない(棄権1試合含む)現状におり、まさに“どん底”を味わっている。
「もともと好きだったショットが悪くて、技術、体、気持ちもバラバラになってしまった」と本人は語った。確かに、ショットの不調については、パーオン率のデータからも明らかだ。13年は62.2662%だったが、15年は49.4017%と大きく低下している。復調の手がかりを探して、このオフに取り組んだのは「原点回帰」。実戦的なラウンド練習を控え、「ずっと基礎ばかりだった」とスイング固めに注力して新シーズンに臨んでいる。
今週は、同じくスタジオアリスと契約を結ぶ妹の堀琴音もホステスプロとして出場する。お互いの成績について関心を寄せ合うことはアマチュア時代から少ないという。だが、自身は予選落ちを喫し、妹が優勝争いをした3月の「アクサレディス」最終日にはラスト3ホールをロープ脇から見守った。
「(妹が優勝争いに加わることは)とても嬉しいこと。私にとっても良い刺激になるし、パワーをもらっている」と、経験値を積み上げ、初タイトルの呼び声も高まってきた妹に触発される部分も多かったようだ。
「今年は(試合がない)時間の使い方も大事になってくるし、いろいろな面で成長していきたい。自分のペースでやっていければ良いですね」。焦りは禁物。しっかりと自分の足元を見つめ、最後まで穏やかな表情でどん底の現在を語っていた。(兵庫県三木市/塚田達也)
■ 塚田達也(つかだたつや) プロフィール
1977年生まれ。工事現場の監督から紆余曲折を経て現在に至る。35歳を過ぎてダイエットが欠かせなくなった変化を自覚しつつ、出張が重なると誘惑に負ける日々を繰り返している小さいおっさんです。