ステーシー・ルイスが背負うタイトル争いの重み
ステーシー・ルイスの7打差をひっくり返す大逆転劇で幕を閉じた、今年の「ミズノクラシック」。ホステス優勝の達成感と同時に、その勝利の重みはルイスにとって大きなものとなった。
国内女子ツアーと同じく、ルイスが主戦場とする米国女子ツアーも佳境を迎えているタイトル争い。今週を含めて残りは3試合。賞金ランキングにおいて、ルイスは1位の朴仁妃から約53万ドルの2位で迎えていた。今週の勝利によりその差は約36万6千ドルに。残り2試合の優勝賞金は15万ドル、最終戦は50万ドルと、逆転女王への可能性を広げてみせた。
そして、ルイスが「年頭からの一番の目標」と獲得への意欲を口にするのが、プレーヤー・オブ・ザ・イヤー(以下POY)のタイトルだ。各試合のトップ10で終えた選手にのみポイントが加算され、優勝者に30ポイント、2位に12ポイント・・・(4大メジャーは2倍)と順次配分される。この争いでは今週を前に、逆にルイスが朴に28ポイント差をつけてリード。今週でさらに30ポイントを加算して58ポイント差に広げ、「限りなく確定させることできて、嬉しく思います」と充実の笑顔を浮かべる。
タイトルを切望しているのは、ルイス自身だけではない。米国女子ツアーと名を打ちながら、久しく米国人プレーヤーが手にしていないこの2大タイトル。アニカ・ソレンスタムやロレーナ・オチョアの黄金期をはさみ、最後に米国人が獲得した年は、賞金女王が1993年のベッツイ・キング、POYが1994年のベス・ダニエルにまで遡る。
その2人とは、今も懇意にしているというルイス。2人からは「“アメリカ人最後の・・・”と言われ続けることに疲れたから、貴方が早く終止符を打って」という言葉を受けているという。母国を代表するレジェンド2人から、そこまで言われて燃えないわけがない。「私も早く終止符を打ちたい想いは強い」と、それまでの笑顔を消した。
20年近くも遠ざかっている、アメリカ人のタイトルホルダー。キングとダニエルのみならず、母国で朗報を待ちわびる米国のゴルフファンたち。その全ての期待が、ルイス1人の双肩にかかっている。(三重県志摩市/塚田達也)
■ 塚田達也(つかだたつや) プロフィール
1977年生まれ。工事現場の監督から紆余曲折を経て現在に至る。35歳を過ぎてダイエットが欠かせなくなった変化を自覚しつつ、出張が重なると誘惑に負ける日々を繰り返している小さいおっさんです。